ネットの話題
ピノとPARM、実は同じ? 同じメーカー&チョコに共通点…真相を聞く
森永乳業のアイス「ピノ」と「PARM(パルム)」。どちらもチョコでコーティングされていて、味わいも似ている……もしかして形が違うだけ? と考えたことはありませんか。
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森永乳業のアイス「ピノ」と「PARM(パルム)」。どちらもチョコでコーティングされていて、味わいも似ている……もしかして形が違うだけ? と考えたことはありませんか。
森永乳業のアイス「ピノ」と「PARM(パルム)」。どちらもチョコでコーティングされていて、味わいも似ている……。もしかして形が違うだけ? と考えたことはありませんか。しかも、それぞれのホームページを見ると「チョコが溶ける温度を体温と同じにすることでアイスとチョコが口の中で一緒に溶け合います」と同じ趣旨のことが書かれています。本当のところはどうなのか? 森永乳業に聞きました。
森永乳業がユニリーバと技術提携して立ち上げたブランド「エスキモー」(現在は森永乳業ブランドに統一)から、1976年に発売されたのがピノです。
当時、日本で売られていたアイスクリームはカップやコーン、バータイプが一般的でした。新しいスタイルのアイスを提供しようと、社員が米国を視察した際に見つけた小粒サイズのアイスをヒントに、開発がスタートしました。
口を開けたときの形をヒントに、円錐台の一口形状を設計。チョコでアイスを完全にコーティングして、アイスの形が溶けて崩れるのを防ぎ、手が汚れないようピックで食べるスタイルを提案しました。
形が似ていることから、イタリア語で“松ぼっくり”を意味するpinoから命名。コンセプトは「1粒の幸せ」です。
星形の「願いのピノ」や、ハート形の「幸せのピノ」をランダムに入れるなどの仕掛けも話題となり、子どもから大人まで食べられる一口サイズのアイスとして定着しました。
パルムは2005年、大人が満足できる上質なアイスを目指して、ピノと同じく「エスキモー」ブランドから発売されました。
開発が始まったのは2003年秋ごろ。少子化が進むなか、今後の市場拡大のためには子どもだけでなく大人にも支持される商品が必要だと考え、「味の違いが分かる大人に向けた本格的なアイス」というコンセプトでスタート。
名前は、イタリア語で手のひらを意味する「Palma(パルマ)」をもとにした造語です。手のひらのような形状と、やさしく、あたたかいイメージを伝えようと採用したそうです。
当初は食べきりサイズ6個入りの「マルチパック」のみの展開で、主な販路はスーパーでした。それを1本売りにしてコンビニエンスストアで販売することで、単身者や男性など新たな購買層を開拓。2015年度は、バータイプのカテゴリーで売り上げシェアが業界1位になりました。
両方を比較すると、ターゲット層が違うことがわかります。しかし、同じ会社が販売していて、アイスをチョコでコーティングしている点は共通しています。もしかして、同じ原材料で形が違うだけということはないのか?
ピノとパルムのホームページを見ると、いずれも「チョコが溶ける温度を体温と同じにすることでアイスとチョコが口の中で一緒に溶け合います」といった趣旨のことが書かれていることも気になります。
この疑問について、森永乳業の広報担当者はこう答えます。「チョコとアイスの絶妙なバランスが楽しめる点は共通していますが、形状やターゲット層だけでなく、原料や風味も違うんですよ」
原料や風味については、ピノは練乳をベースとしたやさしい味わいに、パルムは脱脂濃縮乳やクリーム、マスカルポーネチーズを使用したコクのある味わいになっているそうです。
ターゲット層はピノは全世代なのに対し、パルムは40~50代の大人。想定している食べるシーンについても、ピノが「いつでも、どこでも、誰とでも」なのに対し、パルムは「平日のちょっとした贅沢」としているそうです。
見た目も味も似ているけれど、原料やターゲット層は異なっているとの回答でした。
ちなみに、「チョコとアイスが同時に溶ける一体感」という共通点については、ピノの研究技術をパルムにも採り入れたそうです。
最後に、ピノとパルムのどちらを食べようか迷ったときの選び方について聞きました。
「ピノは1粒の幸せを感じていただけるアイスですので、家族や友人とともにみんなで楽しく食べていただくのがお勧め。パルムは『日常のちょっとした贅沢』がキーワードなので、一人ゆっくりと贅沢な時間を感じながら食べていただくのがお勧めです」
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