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2016年07月30日

「アイドルブームは終わった…だから?」ヲタの視線、次の新陳代謝へ

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出典: グラフィック・山本美雪

 みなさん、薄々お気づきかもしれませんが、アイドルブームって終わったのでしょうか。1カ月前のAKB48の総選挙も、かつての盛り上がりに及ばなかったような。アイドルを愛するオタクのみなさんは、今の状況をどう感じるのか。ドルヲタ師弟と認め合う2人の記者が心情を吐露します。

ブーム衰退「公私ともに深刻な事態」

「『アイドルブームは終わったのか』って、つらい問いかけです。ブームの大波に乗っていた僕らはもはや、浜に打ち上げられたお魚状態なのでしょうか


そう嘆くのは、大阪本社社会部所属の阪本輝昭記者(39)。2010年夏、AKB48のヒット曲「ポニーテールとシュシュ」で、心を打ち抜かれました。以来、ドルヲタ歴6年。

いわゆる『ポニシュ新規』です。言ってみれば、私自身がアイドルブームの申し子ですよね。最初は『ご新規さん』として肩身が狭かったですが、6年たったので、そろそろ中堅の入り口に差し掛かったぐらいでしょうか」

「『恋するフォーチュンクッキー』がはやったときは、当時研修派遣されていたテレビ局で『恋するフォーチュンクッキー・スタッフバージョン』を作りました。今は、朝日新聞大阪版などで『NMB48の青春トーク』という連載を担当していまして、若い読者の開拓のため試行錯誤を繰り返しています。アイドルブームの行方は、個人的にも、仕事的にも、重大事なのです


まさに、迷える子羊です。

悪いことばかりではないよ


手をさしのべるのは、桝井政則デスク(48)。あるアイドルの古株ファンとしてヲタを束ねてもいました。

アイドルは社会のインフラに

「ブームは終わったとしても、もやはアイドルは社会のインフラになったと思う。かつてはモテない男の妄想の対象とみられ、キワモノ扱いだったのに、今やアイドルに抵抗感を抱く人は少ない。〝kawaii〟文化の代表格の位置づけも得て、海外にも進出してるしね」


「NMB48の連載を始めた5年前は、一種の教育連載だと徹底的に理屈づけしないと提案自体が通りづらく、それだけに紙面の中でレア感もありました。それが今や、新聞の1面にアイドルが載るのも珍しくなくなり、むしろアイドルを起用した企画は『安直だ』とすら言われます


2011年1月の朝日新聞大阪版。NMB48の初ステージを阪本記者が紙面で紹介した

2011年1月の朝日新聞大阪版。NMB48の初ステージを阪本記者が紙面で紹介した

出典:朝日新聞デジタル「NMB48の青春トーク」記事一覧

ブームの幕開けは2010年

そして2人は、共にアイドルブームを振り返ります。

「ブームの幕開けは、スマイレージ(いまのアンジュルム)の福田花音が『アイドル戦国時代』という言葉を世に放った2010年。この年は、たくさんのアイドルが集結する夏フェスとして恒例化した『東京アイドルフェスティバル』の第1回も開かれた」


『努力のAKB』『全力のももクロ(ももいろクローバーZ)』『実力のハロプロ(ハロー!プロジェクト)』とも言われ、ブームをリードしたグループが、ヲタ以外からも注目されたよね」


「そうですね。10年の流行語には『AKB48』もランクイン。世の中に広く認知されたように思います」


2013年、紅白歌合戦への初出場を決めたももいろクローバーZ=2012年11月

2013年、紅白歌合戦への初出場を決めたももいろクローバーZ=2012年11月

出典: 朝日新聞

背景に社会不安?

「ブームには社会的背景もあったと思います。アイドルとファンの距離が近くなり、ファンとして新規参入するハードルも低くなった。人との『つながり』を強めたいという当時の空気感にもうまくフィットしたというのもあるかも」

「世の中的にもごたごたしていた時期だったよね」


「ほかにも、前後には相次ぐ首相交代劇もあり、リーダー不在が語られた時期でもありました。そんな中、総選挙での『背中を押してくださいとは言いません。ついてきてください』という大島優子の名ぜりふ。ひき付けられた人も多かったのでは」


「前年1位だった前田敦子から1位を奪取し、大島が政権交代を成し遂げたのも10年だね。このときから、総選挙がワイドショーでも大きく取り上げられるようになった」

「僕がファンになったのもこの頃です」

「総選挙も進化した。09年の1回目はAKB48の運営スタッフが司会をしていたのに、10年の2回目は徳光和夫さんと木佐彩子さんが司会。外を意識するようになったんだよね。メンバーがステージ上でどんな言葉を言うのかも注目されるようになった」



2010年の第2回AKB48総選挙で大島優子の逆転1位を伝えるスポーツ紙=桝井デスク私物

2010年の第2回AKB48総選挙で大島優子の逆転1位を伝えるスポーツ紙=桝井デスク私物

「票は愛」はヲタを大事にする決意

「AKBで言えば11年の総選挙が一番熱がこもっていたように感じます。日本武道館に充満したあの時の熱気」


「一緒に会場にいたもんね。僕は第1回の選挙も見ていたけど、確かに11年の盛り上がりはすごかったね」


「CDを買えば何票でも投票できる仕組みに批判があるなか、大島がスピーチで『票は愛です』と。まわりが何を言おうと、自分たちを培ってきた土壌、そしてファンの人たちとの関係性を大事にしていくという決意の表れだと思いました」


「翌12年からテレビ中継が始まり、どうしてもその場にいるファンより、番組の進行を優先せざるを得ない面が出てきた。それで新規参入が増えた半面、『ちょっと違う』と思った人もいるでしょうね」


2011年の第3回AKB総選挙で1位に返り咲いた前田敦子さん(右)と2位の大島優子さん=2011年6月9日、東京都千代田区

2011年の第3回AKB総選挙で1位に返り咲いた前田敦子さん(右)と2位の大島優子さん=2011年6月9日、東京都千代田区

出典: 朝日新聞

指原トップ「ブームは終わった」

僕がアイドルブームの終わりを感じたのは14年。6月に大島、11月にはモーニング娘。の在籍最長記録(約11年10カ月)を持つ8代目リーダー道重さゆみが卒業した。二大グループのトップが抜けて、一息ついた空気が漂った」

「確かにあの二人が抜けたのは大きかった」


「そして翌年からの指原莉乃の総選挙2連覇。アイドルとは本来、『この人になりたい』と憧れられ、目指される存在だが、指原は誰もマネできない個性が武器。本人がアイドル好きを公言し、むしろヲタの側にいる。王道アイドルの渡辺麻友の上にドルヲタが君臨する。その時点で、いわゆるブームは終わった」



「確かに、さっしーはさっしーにしかなりえないですもんね



「女性タレントのCM起用社数ランキングを出している調査会社ニホンモニターのデータをみると、11年はAKBが1~5位までを占めていて、1位の大島は19社だった」

「12年は1位が篠田麻里子と板野友美に代わってそれぞれ20社。それが15年になると、なんとか7位に大島と指原が10社で入っている。数字は語るね


2016年の第8回AKB総選挙で渡辺麻友さんが2位で名前を呼ばれたときに大画面に映された指原莉乃さん=2016年6月18日

2016年の第8回AKB総選挙で渡辺麻友さんが2位で名前を呼ばれたときに大画面に映された指原莉乃さん=2016年6月18日

出典: 朝日新聞

東京五輪に「とてつもないアイドル」誕生?

アイドルとして、今は悪くない環境じゃないかな。7回目となる今夏の東京アイドルフェスティバルに参加するアイドルは、なんと約300組。日本にこれだけアイドルがいる状況はかつてなかった」


「裾野が広ければ、それだけレベルは上がるはず。モー娘。に憧れた子どもたちがAKB48になったように、4年後の東京五輪の時には、AKB48の影響を受けた子どもたちが世の中に出てくるかもしれない。今回のアイドルブームの洗礼を受けた、とてつもないアイドルが


「僕も楽しみです」


第66回NHK紅白歌合戦リハーサル 乃木坂メンバーのチャイナ服も
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