ネットの話題
女子中学生誘拐、公衆電話110番に再注目 非常事態に無料で通報
埼玉県の女子中学生が保護された事件で、緊急時の公衆電話に注目が集まっています。使い方などを取材しました。
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埼玉県の女子中学生が保護された事件で、緊急時の公衆電話に注目が集まっています。使い方などを取材しました。
埼玉県朝霞市で2014年3月から行方不明になっていた女子中学生が東京都中野区で保護されました。未成年者誘拐容疑の男の監視下から逃れた女子生徒が助けを求めたのは、JR東中野駅の公衆電話からでした。ネット上では緊急時の公衆電話の使い方について注目が集まっています。
警察の説明によると、27日午後0時半ごろ、女子生徒はJR東中野駅の公衆電話から110番通報。駆けつけた中野署員が公衆電話の前にいた女子生徒を発見し、保護しました。無事を伝えた報道各社のニュースでは、公衆電話の映像も流れました。
ニュースを受けてtwitter上では「公衆電話の使い方知らなかった」「うちの子達も公衆電話の使い方知らないから教えておこう」など、公衆電話の使い方に関するつぶやきが出ています。特に緊急時での使い方を紹介した投稿は多くのリツイートがされています。
公衆電話が減り、使い方がわからない子どもが増えました。どこに公衆電話があるかを子どもたちと一緒に確認。使い方を練習。緊急の時にはお金がなくても繋がることを伝える。 pic.twitter.com/InIafJld4R
— プルスアルハ/ぷるすあるは (@pulusualuha) 2016年3月27日
緊急通報の手段として再び注目が集まった公衆電話。ピークの1984年度末には約93万5千台が設置されていましたが、徐々に減少し、2014年度末には2割ほどの約18万4千台となっています。それでもNTT東日本によると、公衆電話(第一種公衆電話)は市街地では500メートル四方に1台、郊外では1キロ四方に1台は設置されています。電気通信事業法に基づいて設置されているそうです。
公衆電話の周知活動に取り組む公益財団法人「日本公衆電話会(日公会)」は小学生向けの冊子で、緊急通報の仕方を紹介しています。話を聞きました。
――公衆電話からの緊急通報はどのようにするのですか
公衆電話は、緑色のアナログ公衆電話とグレーや緑色のデジタル公衆電話に分かれます。アナログの場合、受話器を手に取り、電話下にある赤い「緊急通報ボタン」を押して「110」や「119」を押すと最終的に近くの警察署や消防署に伝わります。デジタルの場合は、受話器を取り、そのまま110番や119番を押すだけで緊急通報として使うことができます。料金は必要ありません。
――今回、公衆電話が注目されています
管理の面や携帯電話の普及により、公衆電話の数は減ってきていますが、東日本大震災以降、公衆電話は災害時の連絡手段として見直されてきています。
さらに日公会では、子どもの安全安心という点からも公衆電話の必要性をアピールしてきました。6年前から「こども手帳」を発行しているのですが、防犯や災害などへの安全対策の中で、公衆電話を使った緊急通報の仕方も紹介しています。警察や行政にも助言をもらった冊子で、小学生を対象にこれまでに87万冊が配られています。
また、実際に小学校に赴いて公衆電話のかけ方を説明する「公衆電話教室」も毎年開催しています。2014年度は全国76の小学校を訪れ、約7200人に緊急時の110番通報の使い方などを説明しました。今回、「いざという時」の連絡手段として公衆電話の活用に注目が集まっているのは意義深いと感じています。
――使い方以外に、家庭で話し合っておくべきことはありますか
身の回りでどこに公衆電話があるかを知っておくことが重要です。GoogleやYahoo!などの検索サイトで「公衆電話インフォメーション」と検索すると、NTT東日本と西日本が運営している公衆電話の検索ページが出てきます。住所からも検索することができるので、親子が一緒になって公衆電話の位置を確認しておくといざという時に役に立ちます。
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