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フィギュア解説者十人十色 伊藤みどりの絶叫、スケオタ絶賛の「殿」
札幌市で開かれている全日本フィギュアスケート選手権。スケオタにとっては解説者も見どころの一つ。織田信成さん・鈴木明子さんらを、タイプ別に並べて見ると…。
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札幌市で開かれている全日本フィギュアスケート選手権。スケオタにとっては解説者も見どころの一つ。織田信成さん・鈴木明子さんらを、タイプ別に並べて見ると…。
札幌市で開かれている全日本フィギュアスケート選手権。ファンにとっては、選手への注目はもちろん、演技の解説も楽しみの一つです。1~2年前まで現役選手だった織田信成さんや鈴木明子さんが加わり、人材は豊富です。スケオタにとっては解説者も見どころの一つになっています。
落ち着いた解説で定評があるのは、1994年の世界女王である佐藤有香さんや88年カルガリー五輪代表の八木沼純子さんです。佐藤さんは解説に無駄がありません。「ジュンジュン」の愛称で親しまれている八木沼さんは、聞き取りやすい声で、まるでアナウンサーのようです。世界選手権銅メダリストの本田武史さんは、技術を始め、初心者にもわかりやすい解説で知られています。
五輪金メダリスト荒川静香さんは、主要な大会の中継を精力的にこなしています。「クールビューティー」と称され、冷静なコメントが光りますが、最近は、選手の成長や技術の進歩を目の当たりにすると、笑みを浮かべ、興奮気味になることもあります。今活躍している選手を現役時代から見てきたからこそ伝えられる解説をしてくれます。
選手を応援するように解説してくれるのは、1992年アルベールビル五輪銀メダリストの伊藤みどりさんです。「(ジャンプ)跳んで~!」「真央ちゃんやったー」など、ファンの気持ちを代弁してくれます。
77年世界選手権銅メダリストの佐野稔さんも人間味がある解説で知られます。「よっしゃ~」「完璧ですね」など、素晴らしい演技に対し、手放しで喜びます。そんな「フィーリング解説」を聞いていると、まるで居酒屋で一緒に盛り上がっている気分になれるかもしれません。
スケオタが絶賛、技や採点のマニアックな解説をしてくれるのは織田信成さんです。毎年改訂される採点基準を把握しており、ステップからジャンプやスピンの種類、回転不足、エッジの傾きなど、演技を見ながら採点するファンにとって貴重な情報をよどみなく提供してくれます。
技術面だけでなく、どうしたら点数が出るのかなども織り交ぜて話してくれます。また、選手へのリスペクトと称賛が素晴らしく、演技に感動すると、涙してしまうことも。織田さんからもらい泣きしてしまうファンもいるほどです。
昨年、現役を引退した鈴木明子さんも、間違いのないように丁寧に解説をしてくれるため、好評です。今ではすっかり解説者として板についてきました。先月のグランプリシリーズのNHK杯では、「明子の部屋」と銘打ち、選手にインタビューをするなど成長中です。
長く現役を続けてきたことから、後輩の選手に向けられるあたたかい眼差しと語りは、まるでお姉さん(時にお母さん)のようです。織田さんも鈴木さんも、現役選手と日頃から交流があるからこそ飛び出すエピソードは見逃せません。
フィギュアスケートはペアやアイスダンスもあります。ペアは元選手でもある若松詩子さんが、アイスダンスは元選手で振付師として活躍する宮本賢二さんが解説することが多いです。ペアは国内では選手が少ないですが、国際試合を見るには欠かせないため、若松さんの存在は貴重です。宮本さんは、ルールの中でどう美しさを表現するか、曲や自分の世界観をどう表現するかなど、ジャンプのほかに、振付師の視点で語られる解説が魅力です。
解説者も十人十色。自分にあった解説者を探してみるのも楽しみかもしれません。
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