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飛行機の隠れた楽しみ「フライトログ」って何? CAが直筆イラスト
「フライトログブック」ってご存じですか。客室乗務員(CA)や機長に搭乗記録を書いてもらうサイン帳などのことで、航空ファンの間で人気です。
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「フライトログブック」ってご存じですか。客室乗務員(CA)や機長に搭乗記録を書いてもらうサイン帳などのことで、航空ファンの間で人気です。
もうすぐシルバーウィーク。飛行機で旅行を計画している方も多いと思いますが「フライトログブック」ってご存じですか。客室乗務員(CA)や機長に搭乗記録を書いてもらうサイン帳などのことで、航空ファンの間で人気です。忙しいCAに記入をお願いする際のマナーを三つにまとめました。
行き先や便名、乗務員の名前やメッセージなど、フライトログブックに記す内容は様々です。CAがイラストを描いてくれたりシールや絵はがきを貼ってくれたりすることもあります。90年代にはがきにサインをしてもらったことがきっかけで始めた大阪市に住む40代の会社員男性は多いときには年5回、海外を含めて飛び回り今ではサイン帳が4冊になりました。
男性によると海外の航空会社は「特にフレンドリー」で、CAがキスマークをサイン帳につけてくれたり、機長が握手してくれたりしたそうです。
日本航空広報部の中山義和さん(59)は、1982年から09年までボーイング747の航空機関士として、機長や副操縦士とともに操縦室に乗り込みました。乗客からフライトログブックの記入を求められたのは20年ぐらい前だそうです。01年の米同時多発テロで操縦室への出入りが厳しく制限され「CAが操縦室にサインを頼みに来る回数は激減した」といいます。
中山さんによると、パイロットが飛行時間や離着陸の回数を記録する手帳のことを「フライトログブック」といいます。このログブックは会社から支給され、昇格試験や操縦する機種の変更などでこの記録が使われるそうです。乗客向けの搭乗記録もこの名前が使われているとみられます。
フライトログブックへの記入をCAにお願いするにはどうすればいいのでしょうか。年に2、3回、国内線を利用して書いてもらっている大阪府に住む公務員・沢田正吾さん(41)によると、書く時間を確保するため搭乗する際にサイン帳を渡します。その際に「フライトログブックの記入をお願いします」と言います。
機内に入る際は列ができることが多くCAと会話する機会ができます。自分がこれまでに乗った機種やその感想を伝えるとCAに喜ばれるほか、フライトログブックに記入するメッセージのヒントになります。ただ、あまり長く話をするとかえって迷惑になります。
沢田さんが昨年12月に搭乗した全日空の伊丹発那覇行きの便での出来事でした。トイレに入る直前、すぐ後ろで並んでいた5歳くらいの男の子が我慢できない様子でいるのに気づきました。そこで沢田さんはこの男の子に順番を譲ってあげました。すると、近くにいたCAから「さすが航空ファンの方ですね」と感激され、事前に頼んでいたフライトログブックの記入はもちろん、はがきやお菓子のプレゼントもあったそうです。
日本航空広報部の中山さんによると、フライトログブックへの記入は義務づけられた乗客へのサービスではなく「時間の許す限り協力する」という位置づけです。特に飛行時間が短い路線の場合は難しいようです。サイン帳が4冊目となった男性は、松山―関西空港間の飛行で断られたことがあるといいます。男性は「断られても決して怒ったりするのではなく、丁寧にお礼を述べるのが真の航空ファンです」と話しています。
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