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エスカレーター、片側空け撲滅へ 鉄道各社「歩いちゃダメ」PR
「エスカレーターの片側は、歩く人のために空ける」という習慣。本来のルールは「歩かない」が正しいことを知っていますか?
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「エスカレーターの片側は、歩く人のために空ける」という習慣。本来のルールは「歩かない」が正しいことを知っていますか?
全国で定着している「エスカレーターの片側は、歩く人のために空ける」という習慣。でも、本来のルールは「歩かない」が正しいことを知っていますか? 歩くことによってバランスを崩して転んだり、他人を転倒させたりするおそれがあるからです。21日から、鉄道各社や空港などが共同で「みんなで手すりにつかまろう」と題したキャンペーンを始めました。
エレベーターやエスカレーターといった昇降機の業界団体「日本エレベーター協会」によると、エスカレーターは、立ってベルトをつかんで乗る前提で安全基準が作られているそうです。
ステップの幅は1.1メートル以下と規定されていて、公共の階段よりも狭くなっています。1つのステップ(踏み面)に乗れるのは多くても2人までとすることで、利用者が必ず手すりにつかまれる構造になっているのです。このことからも、追い越しを想定していないことがわかります。
エスカレーターは、標準的な勾配が30度と一般的な階段に比べて急で、1段ごとの踏み面の奥行きも階段より大きいため、歩くとつまずきやすく、転倒すれば周囲の人を巻き込んで大事故につながりかねません。
協会では5年ごとに事故に関する調査を実施。2013~2014年分については現在調査中で、最新である2008~2009年のデータによると、この2年間で発生した事故は1200件。前回調査の1.8倍に増えたといいます。
そもそも、なぜ片側を空ける習慣が根付いたのか? 朝日新聞の記事によると、ルーツはイギリスのロンドンで、混雑解消のために役人が考えたとされています。日本では、長いエスカレーターができ始めた70年代に広まったとみられ、かつては鉄道会社が「お急ぎの方のため左側をお空け下さい」と放送を流していたこともあったそうです。
今回のキャンペーンは、全国の鉄道事業者51社局や商業施設、空港や日本エレベーター協会などが実施。「みんなで手すりにつかまろう」と題して、ポスターを貼ったり、ポケットティッシュを配ったりして遠回しに歩かないよう促す戦略です。
こうしたキャンペーンを最初に始めたのはJR東日本。2009年に単独でスタートし、次第に共同で実施する鉄道事業者が増えてきました。JR東日本の広報担当者は「手すりにつかまっていただくことで転倒防止になりますし、つかまっていれば駆け上がることもできません。ご協力をよろしくお願いします」と話しています。
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