話題
エアバック型浮輪バンド 友人の水死きっかけに開発「悲劇防ぎたい」
ハンドルを引くとエアバッグのように浮輪が飛び出し水面へ。画期的な水難防止装置「キンジー」は、友人の水死という悲しい経験から生まれました。
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ハンドルを引くとエアバッグのように浮輪が飛び出し水面へ。画期的な水難防止装置「キンジー」は、友人の水死という悲しい経験から生まれました。
一見、ただの腕輪。ところが、ハンドルを引くとエアバッグのように浮輪が飛び出し水面へ。ギリシャ人のトム・アガピアデス(Tom Agapiades)さんが開発した「Kingii(キンジー)」は、世界最小の水難事故防止装置です。溺れそうになった子どもがキンジーによって助かるサンプル映像を配信すると、たちまち話題に。画期的なこの製品、目の前で友人が水死するといういたましい経験から生まれたものでした。
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Posted by 3dfirstaid visual architecture on 2015年7月8日
キンジーは収納式浮輪装置で、緊急時にハンドルを引き上げるだけで、内蔵式のバルーンが膨らみ、装着した人を水面に引き上げます。6歳以上であれば誰でも着用できます。浮力試験では体重124キロの成人を浮かすこともできました。
キンジーが生まれたきっかけは、過去の悲しい事故でした。ある日、開発者のアガピアデスさんの友人が湖で泳いでいたところ、岸辺から45メートルを離れたところで、突然「助けて」と呼び始めたのです。救助に向かいましたが、間に合いませんでした。「とても悲惨でした」。誰でも使える水難事故を防げる方法がないか。他の人に自分と同じ思いをさせたくない。そんな思いからキンジーは生まれました。
開発チームはグローバルです。主な開発者のアガピアデスさんはギリシア人で、ほかのメンバーはアメリカ人とドイツ人。国籍の違うメンバーによって世界のどこの人でも、大人も子供も安全に使える製品をめざしました。
海水浴場などの監視員や、水上スポーツの愛好家、水泳選手に子どもまで、何度も実験。海水浴や川遊びなど様々な場面で使えるよう設計されています。キンジーのバルーンの素材は、ヨット競技や航海にも使えるほど強い素材を使っています。ただし、岩場などでは浮上時にけがをする可能性があるので、注意が必要です。
Kingii_usさん(@kingii_us)が投稿した写真 -
キンジーのプロモーション動画は、日本でも話題になっています。実は、アガピアデスさんにとって日本は大好きな国の一つなのだそうです。
「日本人は新鮮なものに敏感で、流行のアップデートも速い。日本でも、新しい流行を作ってもらいたい」とアガピアデスさん。「キンジーを使い、あなた自身とあなたが愛する人を安全にしてください」と話しています。
キンジーは1つ69ドル(約8400円)で、オンラインで販売しています。