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ドローン芸人、官邸事件にめげず奮闘中 「コントするより反応いい」
ドローンの首相官邸侵入事件で、一番とばっちりを受けたと言われている人がいます。ドローン芸人の谷プラスワンさんです。
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ドローンの首相官邸侵入事件で、一番とばっちりを受けたと言われている人がいます。ドローン芸人の谷プラスワンさんです。
小型無人飛行機(ドローン)の首相官邸侵入事件で、一番とばっちりを受けたと言われている人がいます。ドローン芸人の谷プラスワンさんです。ドローンに載せたあんパンやマシュマロを飛ばして、そのまま食べるという持ちネタで、ファンを増やしてきた矢先の事件。「ドローンを最も平和に使う男」に、ドローンへの思いを聞きました。
谷プラスワンさんは、ワタナベエンターテインメント所属の芸人です。持ちネタは、ドローンのフリック(空中で一回転する機能)で、マシュマロやあんパンを飛ばし、直接、口でキャッチする芸です。日本でおそらく唯一のドローン芸人です。
2002年にデビューした谷さん。元々はコントをしていましたが「ちょっとお笑いが苦手過ぎて・・・」という状況だったそうです。そこで、数年前からラジコンカーに注目。木槌をつけてダルマ落としをする芸を動画にアップしたところ、アクセスが急増しました。
しかし、すぐに「ラジコンが足元にあると見えない」というクレームが。そこで、1年半ほど前から、ドローンを使い始めました。
ドローン芸の醍醐味とは何か。「まず、ドローン自体で驚いてもらいます。完全に僕の実力ではありませんが…」と谷さん。さらに、何をするかわからないところで、いきなり空中で一回転し、さらに、口でキャッチするという場面展開へ。「たいていの人は頭の処理が追いつかず、圧巻されます」
一度、見たら飽きられると思いきや、意外とリクエストも多いそうです。「どういう仕組みで一回転しているのか、気になるみたいです」
お正月の特番やバラエティー番組にも出演し始めていた時に起きたのが、2015年4月の首相官邸ドローン侵入事件でした。
ドローンへの規制などのきっかけになった事件だっただけにツイッターでは「今回の一番の被害者ですね」というコメントをもらったそうです。とはいえ、仕事への影響はほとんどありませんでした。「普通にライブにも出ていますよ。自分のドローンは事件で使われたものと違って、おもちゃの延長ですから」
谷さんは「みんなドローンの可能性を理解しているんじゃないでしょうか」と強調します。「車と同じように、使い方を間違えれば事件や事故は起こりますが、空撮だけでなく人命救助などにも役立つ可能性を秘めている。そう判断されたんだと思います」
ちなみに谷さんは、万が一を考えてラジコン操縦士の資格を取得。さらに、保険会社に勤める知り合いに頼んでドローン保険を新たに作ってもらいました。第一人者として責任ある行動を心がけ、ドローンについての勉強会などにも積極的に顔を出しています。
「確実に、1人でコントやっているよりお客さんの反応がいい」というドローン芸。今後は海外のショーなどにも出てみたいそうです。
「去年の10月、ロサンゼルスの路上でドローン芸を披露したんです。車いすの子どもが、ものすごい喜んでくれて。『センキュー』って言ってくれて。言葉が通じない異国の人も笑ってもらえる。そんな芸を磨いていきたいです」