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#2 みぢかなイスラム
上智大、イスラム教徒向け「ハラル弁当」を販売 1日150食が完売
上智大学がイスラム教徒向けの「ハラル弁当」の販売を始めました。すんごく売れてるそう。
上智大学(東京都千代田区)は27日、イスラム教徒向けの食事「ハラルフード」の弁当販売を四谷キャンパスで開始したと発表しました。同大はキリスト教系の学校でありながら、イスラム教徒がお祈りする部屋も学内に設置するなどしてきましたが、ハラルフードの導入は初めてで、全国でも異例です。
ハラルフードとは、イスラム教の戒律にそって調理された食事で、豚肉や豚肉由来の調味料、アルコールなどを一切使っていません。上智大では「日本イスラム文化センター」が厨房や調理器具にいたるまで入念にチェックし、ハラルフードであることを認証しています。
メニューはハンバーガーやカレー、鶏カラ弁当など(240~500円)があり、授業や試験がある平日であれば毎日、利用できます。上智大によると、販売車の前には16日の販売開始から連日長い行列ができ、イスラム教徒ではない学生や教職員にも人気となっています。イスラム教徒とみられる学生は30人ほどだそうですが、1日約150食の完売が続いています。
中東やインドネシアなど、イスラム圏の学生を受け入れてる大学では、そうした学生の「ランチ難」が課題になっています。コンビニや売店で弁当を買おうとしても、友達に聞いて原材料を確認する必要があったり、学外でハラルフードを買っても割高だったりするためです。
上智大の広報担当者は「人気で弁当が売り切れても大丈夫なように、イスラム教徒の学生向けには“おとりおき”を始めました。ハラルフードを食べたことがない学生にも教育効果が期待できます」としています。
首都圏では、神田外語大学(千葉市)が日本初の「ハラル認証を受けた学生食堂」を設置するなど、少しずつ対応が広がっています。