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LGBT候補の性別どうなる? 名古屋市選管は女性、国の集計は男性
4月3日告示の名古屋市議選(中区選挙区)に、戸籍上は男性だが女性として活動するNPO代表が、「女性」として立候補を予定している。市選管は、女性として届け出を受理する方針を決めた。かたや総務省は、戸籍通り「男性」として集計する見込み。実態と食い違う可能性が出ている。
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4月3日告示の名古屋市議選(中区選挙区)に、戸籍上は男性だが女性として活動するNPO代表が、「女性」として立候補を予定している。市選管は、女性として届け出を受理する方針を決めた。かたや総務省は、戸籍通り「男性」として集計する見込み。実態と食い違う可能性が出ている。
4月3日告示の名古屋市議選(中区選挙区)に、戸籍上は男性だが女性として活動するNPO代表が、「女性」として立候補を予定している。市選管は、女性として届け出を受理する方針を決めた。かたや総務省は、統一地方選の全国集計で、戸籍通り「男性」としてカウントする見込み。届け出の実態と総務省の集計が食い違う可能性が出ている。
同市中区選挙区(定数3)から「女性」として立候補を予定しているのは、性的少数者(LGBT)を支援するNPO法人代表の安間優希氏(45)。男性として生まれ育ち、女性と結婚したが、2008年に戸籍は男性のまま女性の名前に改めた。
同選挙区ではほかに、3月18日にあった立候補予定者説明会の時点で、男性5人、女性3人が立候補の意向を示している。
市選管は今回、安間氏の届け出を本人の意向通り「女性」として受理する方針。告示日当日に市選管として発表する候補者数などのまとめや選挙後の選挙記録でも、女性として扱う見通しだ。
市選管は、「戸籍と性別が異なっていても、それは本人の申告によって判断する。公職選挙法などには立候補の際に性別を記載すると条文で明記されていない」と理由を話す。
しかし、総務省による集計では一転して、「男性」として扱われることになりそうだ。
総務省は、統一地方選の各選挙で受理した届け出について、告示日に都道府県選管に報告を求め、全国の届け出状況として候補者の合計数などを公表する。
その際、候補者の情報として、戸籍上の性別を報告するよう都道府県選管に求めている。「届け出にあたり、性別については、戸籍で記入してもらうのがルール」(選挙部管理課)のためだ。
したがって市選管は、安間氏の届け出を「女性」として受理する一方で、愛知県選管には、戸籍上の性別である「男性」として報告する方針。県選管も、そのまま総務省へ報告するという。
そのため、総務省が告示日の夜に公表する候補者の性別内訳のデータでは、女性として選挙運動する意向の安間氏は、実態と違って男性としてカウントされてしまう可能性が高い。
安間氏は「集計を女性の政界進出の指標として捉えるなら、戸籍上の性別にこだわる理由はないのでは。注釈で実態としての性別を記すなど配慮してほしい」と話す。
LGBTの政界進出をめぐっては、過去にもさまざまなケースがあった。
05年の衆院選に茨城3区から立候補した猿田玲氏は、男性として活動していたが、戸籍上は女性。立候補にあたり、性同一性障害を公表していたが、本人の届け出は女性だった。
一方、03年の世田谷区議選では、女性として生活していたが、戸籍上は男性だった上川あや氏が立候補。女性として届け出て受理された。上川氏はその後、戸籍の変更が認められ、07年と11年の統一地方選では、女性で届け出ている。
国会では、13年に繰り上げ当選した元参院議員の尾辻かな子氏が、同性愛を公表していた。