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上沼恵美子「おしゃべりクッキング」20周年 長寿番組生んだ主婦力
上沼恵美子さんの本音トークが定評ある料理番組「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」が、4月で20周年を迎えます。長寿番組に育てたのは、主婦としての目線でした。
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上沼恵美子さんの本音トークが定評ある料理番組「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」が、4月で20周年を迎えます。長寿番組に育てたのは、主婦としての目線でした。
タレント上沼恵美子さん(59)の本音トークが定評ある料理番組「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」(テレビ朝日系)が、4月で番組開始から20周年を迎えます。「聞き上手」のモットーと、主婦として自ら培った視聴者目線が、長寿番組に育てました。
上沼さんは兵庫県淡路島出身。海原千里の名で、姉(万里)との姉妹漫才で売り出します。1977年、結婚で引退しますが、2年後にタレント活動を再開しました。以来、巧みな話芸で主婦層に人気となり、関西を中心に多数の番組に出演。「NHK紅白歌合戦」の紅組司会を2度務めるなど、お茶の間に定着しました。
「おしゃべりクッキング」は95年4月に開始。大阪の準キー局である朝日放送制作で、月~金曜、昼1時45分からの15分番組です。上沼さんの本音トークと調理師陣の丁寧な説明が支持されています。
モットーは、できるだけ「おいしい」という言葉を出さないことだといいます。「当たり前ですからね。何でもかんでも『おいしい』『さわやか』『ヘルシー』『外はカリカリ、中はジューシー』『やさしい味』……。一番楽な言葉ですよ」。
奔放なトークでゲストに突っ込んだり、強引に本音を引き出したりといったバラエティ番組での豪快なイメージとは裏腹に、相手の話をじっくり聞く「聞き上手」を心がけています。
2008年1月1日に掲載された朝日新聞の記事では、「話が得手でない俳優やスポーツ選手がゲストに来た時、会話に間があくことが怖かった。気を回して何か発言し、相手が考え込んでまた間があく、なんてこともあった」と告白していました。
そんなある時、夫から「相手の話をじっくり聴いてみたら」と助言され、「間は、あっていいんだ」と考え直したそうです。「この人はどういう人なんだろう、と考えながら聞き、『なるほどぉ』『はぁ~』と大げさなくらい相づちを打つ。すると、相手もうれしくなって、しゃべってくれる」。
「おしゃべりは、生と生とのぶつかりあい。でも、心を無理やりこじ開けることはできません。番組でゲストの方に気分よくなってもらって、よその番組と一言でも違うことを言っていただいたら、こっちはうれしいんです」
以前は東京の番組からも出演依頼が相次ぎましたが、夫との約束で関西を離れませんでした。
22歳で結婚して引退すると、それまで若い男性ファンから歓声を受けていた生活が一転。2人の子の育児や洗濯、掃除に追われる日々に落ち込んだそうです。
その後、芸能活動を再スタート。離婚してまで東京で活躍しようという欲はありませんでした。
2008年1月1日に掲載された朝日新聞の記事では、こう語っています。「上沼恵美子はどこにでもいそうな、おもろいおばちゃんやけど、本当に探したらおれへん、というのが私の理想。そうでないと受け入れられへんと思います」。主婦感覚を大事にする姿勢をこう語っていました。
「おしゃべりクッキング」では、定年退職した夫や家族についての等身大の話題も多く、主婦層の視聴者を引きつけます。
大阪での番組収録を続けてまもなく20周年。「今では大阪を拠点にしていることが、私のブランドを作っていると思うし、誇り」と笑います。