話題
ブルトレ定期運行終える ハイテクだった“元祖” 当時の新聞も興奮
上野と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」の定期運行の最終列車が13日、両駅を出発しました。すっかり老朽化していたブルトレですが、1958年の“元祖”ブルトレ「あさかぜ」は、当時最先端のハイテク車両でした。
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上野と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」の定期運行の最終列車が13日、両駅を出発しました。すっかり老朽化していたブルトレですが、1958年の“元祖”ブルトレ「あさかぜ」は、当時最先端のハイテク車両でした。
上野と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」の定期運行の最終列車が13日、両駅を出発しました。青い寝台車を機関車が引いて走る特急列車「ブルートレイン」の定期運行はこれで終わります。すっかり老朽化していたブルトレですが、1958年の“元祖”ブルトレ「あさかぜ」は、当時最先端のハイテク車両でした。
「あさかぜ」は56年、東京と九州を結ぶ戦後初の特急として東京―博多間に登場。58年に新型の客車が導入され、冷暖房完備の個室寝台がお目見え。食堂車も備え、「走るホテル」と呼ばれます。丸みをおびた青色の車体にクリーム色の線が入った斬新な客車は「ブルートレイン」として親しまれ、その後の寝台特急の代名詞になりました。
「あさかぜ」の新型客車について、58年8月29日の朝日新聞では「“特急の新車両できる”」という見出しで紹介。東京―大阪、神戸間を結ぶ特急「こだま」と共に、そのハイテクぶりを伝えています。
「これまでの国鉄の車両には見られなかったデザインと色」といった表現とともに、空気バネや完全冷暖房など画期的な快適装備に触れています。
以下、その記事本文の抜粋です(一部、表記や送りがなを直しています)。
10月1日のダイヤ改正を期して登場する国鉄ご自慢の特急用新車両ができあがった。
東京―大阪、神戸間を6時間半で結ぶビジネス特急「こだま」の先頭車と、東京―博多間の「あさかぜ」だ。
いずれも、これまでの国鉄の車両には見られなかったデザインと色。初の冷暖房装置をはじめ、室内の設備や、走るための装置にも新しい工夫があるという。
9月4日、東京―平塚間往復の試運転と、東京駅で一般展示会を行う。
「あさかぜ」の新車両は「こだま」よりも長距離を走るだけに、次のような特色を盛ってある。
1.これまで三等の座席は定員88だったのが60に減り、いまの特二ぐらいにゆったり作ってある。
2.二等寝台には、いままでなかった一人一室もある。
3.台車に空気バネを使っているので乗り心地がよい。
4.初めての完全冷暖房なので、防音と温度調節のため、乾燥空気を入れた二重ガラス窓が固定してある。ドアは自動開閉。
5.冷暖房用の電気をとるため440馬力2基を備えたディーゼル発電車をつけて走る。
この車両は国鉄が13両編成上下2本と予備11両、合わせて37両を約8億円の予算で日立製作所と日本車輛会社に造らせたもので、車体は濃い藍色にクリーム色の線が横に走っている。
【以上、1958年8月29日の朝日新聞紙面から】
また、同年9月4日の夕刊紙面では、「冷房もほどよく 電化家庭のような」という見出しで、東京駅での「あさかぜ」新車両の一般展示会の様子が、以下のように紹介されています。
「おっ、すずしい」と、さっそく車内に入りこんだ見物人たちはネズミ色のシートに座って旅行気分。
冷房はほどよく効き、照明は明るい蛍光灯だ。食堂車には電気レンジ、電気冷蔵庫が設備され、各車両の飲み水は紫外線で殺菌され、クーラーで冷やされている。
化粧室には電気カミソリ用のコンセントもあり、ちょっとした電化家庭並みだ。
【以上、1958年9月4日の朝日新聞紙面から】