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コーヒーの波、いくつある? 「サードウェーブ」ブルーボトル進出
東京・清澄白河に「サードウェーブコーヒー」と呼ばれるブルーボトルコーヒーが進出しました。第1、第2はどんな波だったのか?そして、第4の波はあるんでしょうか?
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東京・清澄白河に「サードウェーブコーヒー」と呼ばれるブルーボトルコーヒーが進出しました。第1、第2はどんな波だったのか?そして、第4の波はあるんでしょうか?
東京・清澄白河にサンフランシスコ発祥のコーヒー店、ブルーボトルコーヒーが進出しました。「サードウェーブコーヒー」という流れの代表格と言われおり、地元の住民に手拭いや、招待券を配るなど地域に密着した姿勢が評判になっています。第3の波の特徴とは何なのか? 「サード」ということは、第1、第2とはどんな波だったのでしょうか?
2月6日、ブルーボトルコーヒーのオープンには100人以上が行列を作りました。シンプルな店の雰囲気、アメリカでは珍しいペーパードリップを使うなど、豆の品質や抽出方法へのこだわりが人気を呼び、アメリカで16店舗を展開しています。日本は初の海外進出です。3月には青山、その後、代官山にも出店する予定です。
ブルーボトルコーヒーは「サードウェーブコーヒー(第3の波)」の代表格と言われています。それではコーヒーの「第1の波」はいつ起きたのでしょうか?
アメリカのコーヒー評論家、ケビン・シノットさんによると、「第1の波」は、19世紀ごろに起きました。コーヒーの大量生産が始まり、浅煎りのコーヒーが広まった時代です。コーヒーが一般家庭に普及した時期だといえます。
「第2の波」は、1960年代ごろに起きたとされています。チェーンのコーヒー店による、深煎りした豆を使った、エスプレッソやラテなどが特徴的です。代表格がスターバックスです。日本にスターバックスが進出したのは1996年。以来、深煎りのコーヒーの人気が定着しました。
「第3の波」は、1970年ごろ始まったとされていますが、本格的に広がったのは2000年以降とも言われています。豆の産地をまぜず(ブレンドせず)、1カ所の国やコーヒー農園に限定した「シングルオリジン」が特徴です。大量生産せず、焙煎後なるべく早く売る新鮮さを売りにしています。
「サードウェーブコーヒー」はアメリカの西海岸で生まれたと言われています。西海岸で生まれた理由の一つとしてシリコンバレーなどIT企業の存在があります。起業家や投資家が会う場所にコーヒー店が選ばれることが多く、店でパソコンを広げて作業をする人も少なくありません。生活の中にコーヒー店が溶け込んでおり、そんな土地柄が、こだわりのコーヒーを求める「サードウェーブコーヒー」を生み出しました。
コーヒー器具にもこだわる「サードウェーブコーヒー」には、日本の喫茶店文化の影響も見られます。ブルーボトルコーヒー創業者のジェームス・フリーマンさんは「東京に店を出すのが夢だった」と話しています。開店前日の5日には、1968年開店の老舗「カフェ・バッハ」(東京都台東区)をスタッフらと訪れ、「豆の個性に合わせた細かい焙煎(ばいせん)だ」と称賛。「創業時、『キッサテン』のコーヒーへのこだわりから多くを学んだ」と述べています。
日本1号店を、あえて下町の清澄白河にしたブルーボトルコーヒー。地元の住民に、オリジナル手拭いや、招待券を配り、オープン前のレセプションに招待するなど、地域とのつながりを大事にしています。地元でガラス店を営む椎名隆行さんは「まさかこの町にこんなお店ができるとは。本当においしいコーヒーにこだわっているブルーボトルさんが毎日飲める距離にできるのは本当に楽しみです」と話しています。「サードウェーブコーヒー」は、「街の喫茶店」という、日本になじみのあるスタイルの進化形なのかもしれません。
さて、「第4の波」はあるのでしょうか? コーヒー評論家のシノットさんは、コーヒー農家と消費者が直接つながるのが次の段階ではないかと見ています。「農家が野菜を直送するように、消費者はどこでだれが育てたコーヒー豆かを調べ、その物語とともに味わうような日がくるのではないか」