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お金と仕事

「サラダ味」は何の味なの? 皆さんの長年の疑問にお答えします!

せんべいなどでよく目にする「サラダ味」。いったい、どこがサラダなの? そもそも「サラダ油」とそれ以外の油は何が違うのでしょうか?

亀田製菓の「サラダ味」商品。左がソフトサラダ、右がサラダホープ=亀田製菓提供
亀田製菓の「サラダ味」商品。左がソフトサラダ、右がサラダホープ=亀田製菓提供

目次

 せんべいなどでよく目にする「サラダ味」。いったい、どこがサラダなのかと疑問に思ったことはありませんか。野菜の味がするわけでもないのに、なぜこの名前なのでしょうか? そもそも「サラダ油」とそれ以外の油は何が違うのでしょうか? メーカーに聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

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亀田製菓に聞いてみた

発売当初のソフトサラダ=亀田製菓提供
発売当初のソフトサラダ=亀田製菓提供


「柿の種」や「ハッピーターン」で有名な亀田製菓(本社・新潟市)が販売している「ソフトサラダ」。その名もズバリな、カリッと焼きあげた「サラダ味」のせんべいです。

「サラダ味ってどんな味なんですか」と疑問をぶつけてみると、こんな答えが返ってきました。

「サラダ味のサラダは、サラダ油のことです」

たびたび寄せられる質問だそうで、ホームページに詳しく理由が説明されていました。

「サラダ油」がまだ高価だった1960年代、サラダ油をからめて塩をまぶしたせんべいが作られました。その頃の時代の背景として、純日本風の「塩味」とするよりは洋風の「サラダ味」とした方がおしゃれではないかということで名付けられました。それまでのしょうゆ味のせんべいに比べて、斬新で高級感のあるイメージで人気を呼び、以後、米菓の定番の味として親しまれています。
亀田製菓のホームページ

つまり「サラダ油をからめた塩味」がサラダ味というわけです。

発売当初のサラダホープ=亀田製菓提供
発売当初のサラダホープ=亀田製菓提供


亀田製菓が初めて発売したサラダ味は1961年の「サラダホープ」。現在でも新潟を中心に限定発売されています。

発売当初は爆発的なヒットとなり、在庫不足から県外への出荷を停止して生産ラインも増強しました。

ところが、生産が増えたころには他社製品が市場に出回っていたために人気が低迷。その結果、そのまま限定商品になりました。現在では「ご当地グルメ」として注目されているそうです。

サラダ油をからめた塩味

プリッツのパッケージ。サラダの文字の下には「あっさり塩味」とある
プリッツのパッケージ。サラダの文字の下には「あっさり塩味」とある


サラダ味の定義は、亀田製菓独自のものなのでしょうか? どうやら、他社も同じようにとらえているようです。

外はパリッ、中はサクッとした食感のプレッツェル「プリッツ」を販売している江崎グリコ。

緑色のパッケージの「サラダ」の文字の下には「あっさり塩味」の文字があります。

こちらもホームページでサラダ味について説明しています。

お菓子業界では、サラダ油をかけて塩味をつけたものを「サラダ味」と呼んでいます。プリッツのサラダ味も、発売当初のお菓子業界の味のネーミングから「サラダ味」と付けました。
江崎グリコのホームページ

サラダの味を再現したサラダ味も存在するようですが、一般的にサラダ味といえば「サラダ油をからめた塩味」を指しているようです。

そもそもサラダ油とは?

サラダ油(左)とキャノーラ油。キャノーラ油は菜種からつくったサラダ油=日清オイリオグループ提供
サラダ油(左)とキャノーラ油。キャノーラ油は菜種からつくったサラダ油=日清オイリオグループ提供


サラダ味の大切な要素である「サラダ油」。用途が広く、比較的安価でキッチンに欠かすことのできない油ですが、こちらの名前はサラダと関係あるのでしょうか。

1924年に日本で最初にサラダ油を販売した日清オイリオグループに聞きました。

「もちろん関係があります。サラダ油は、サラダなどに生で使用できる食用油のことです。より精製の度合いを高めた良質の食用油のことをサラダ油と呼びます」

発売当時、日本では食用油は主に揚げ物などに使っていたそうですが、西洋では生野菜に塩や酢を加えてドレッシングのようにかけて食べていました。同じような使い方をするために、低温で固まりやすい成分を取り除いたものがサラダ油なのだそうです。

揚げ物や炒め物のほか、マヨネーズやドレッシングなど冷えた料理にも使用できるオールマイティなサラダ油。その名前の由来には、ちゃんと理由がありました。

1927年ごろの「日清サラダ油」=日清オイリオグループ提供
1927年ごろの「日清サラダ油」=日清オイリオグループ提供

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