話題
紙の辞書に、こんな活用法が… 付せんテクニック 英語学習にも効果
紙の辞書が意外と「使える」ことを知っていますか? 付せんを貼りまくる「辞書引き学習」が注目を集めています。英語の学習にも効果があるそうです。
話題
紙の辞書が意外と「使える」ことを知っていますか? 付せんを貼りまくる「辞書引き学習」が注目を集めています。英語の学習にも効果があるそうです。
調べたい言葉にさっとたどり着ける電子辞書は便利なツールですが、紙の辞書が意外と「使える」ことを知っていますか?付せんを貼りまくる「辞書引き学習」が注目を集めています。英語の学習にも効果があるそうです。
「辞書引き学習」を提唱しているのは、小学校の校長経験もある中部大学の深谷圭助准教授です。辞書を読み物として読んでいき、知っている言葉を辞書で見つけたら、そのページに付せんを貼るというシンプルな学習法です。付せんには番号を書き、辞書の文字を隠さないように貼ります。付せんが増えていくことで、達成感を得ることができます。
深谷さんによると、小学生1年生から「辞書引き学習法」を始めることで、覚えた言葉の数が実感でき、学習効果が高まるそうです。
深谷さんは、辞書を「読む」ことを勧めています。「芥川龍之介ら昔の文豪は辞書を読んでいました。知りたい言葉を辞書で引くだけでは、新しい言葉を発見する機会がなくなります」と言います。
とはいえ、なかなか手に取る機会のない辞書。どうすれば、読む習慣をつけることができるのか。深谷さんは「本棚にしまわず、作業をする場所にいつも置いておくと手に取りやすくなります」とアドバイスします。
「辞書引き学習」は英語学習にも効果があるそうです。深谷さんによると、イギリスでは、小学校低学年から類語辞典を使って語彙をつける勉強をしているそうです。「正確なスペルや言葉の意味をつける勉強として、効果が認められています。日本人が英語を学ぶ時にも効果があります」と深谷さん。和製英語やニュアンスだけで正確な意味を知らない単語を、辞書であらためて確認することで、使える英単語を増やすことができるそうです。深谷さんは「3000語レベルの単語ならば辞書に付せんを貼ることで、効果的に覚えることができます」と話しています。
普段は目立たない存在の辞書ですが、熱烈な愛好家のいるジャンルでもあります。作家の三浦しをんさんは、辞書の編集部をモデルにした小説「舟を編む」を書いています。「舟を編む」は2012年の本屋大賞1位に選ばれたほか、2013年には、松田龍平さん、宮崎あおいさん出演で映画化もされました。
新明解国語辞典は、ユニークな解説文で熱烈なファンの多い辞書として知られています。2014年10月に亡くなった赤瀬川源平さんは新明解国語辞典に入れこみ、辞書を人のように扱った異色の本「新解さんの謎」まで出しています。
深谷さんは「大抵の辞書はブックエンドになっている。これは辞書にとって悲劇です。電子辞書やスマホのアプリでも、辞書を『読む』ことで、言葉を身につけることができます」と話しています。