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グルーポンCEO「風化、待つのではない」 騒動のおせちで再出発
「スカスカおせち」騒動から4年。グルーポン・ジャパンが、おせちの販売を再開します。発表会で、グルーポン側は「問題の風化を待つのではなく、改善をおせちの形でご紹介したい」と信頼回復にかける思いをにじませました。
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「スカスカおせち」騒動から4年。グルーポン・ジャパンが、おせちの販売を再開します。発表会で、グルーポン側は「問題の風化を待つのではなく、改善をおせちの形でご紹介したい」と信頼回復にかける思いをにじませました。
13日に都内で開かれたグルーポン・ジャパンの「おせち・お正月特集」発表会。会場では、スペイン風おせちを手がけたシェフも登壇し、根本啓CEOは販売再開に踏み切ったおせちの質の高さを強調しました。一方で、4年前の「スカスカおせち」騒動に触れ、「問題の風化を待つのではなく、我々の改善をおせちの形でご紹介したい」と信頼回復にかける思いもにじませました。
今回、グルーポンが販売するおせちは17種類。発表会では、根本CEOがそのうちの数点を紹介しました。
まず紹介したのは、ミシュランで一つ星を獲得した日本料理店が手がける「銀座 馳走そっ啄 和二段重」(4万3200円)。根本CEOは「丁寧に仕上げた全46種類の食材を使った新春にふさわしいおせち」と胸を張りました。
ピンチョスを採り入れたスペイン風の「レ・ストゥディ カタラン・スパニッシュ・パーティおせち」は一段重(1万4千円)、二段重(3万円)の2種類をラインナップ。発表会では、おせちを手がけたシェフのジョセップ・バラオナさんも登壇し、「パーティーのイメージで、友達や家族集まって食べることをコンセプトにしました」と話しました。
発表会では、おせちの内容だけではなく、4年前の騒動を受けた販売や配送体制の改善の説明にも時間を割きました。
今回のおせちの販売で、提携する業者や店舗については、過去3年間のおせちの販売実績があり、事故がなかったことを選定基準にしたそうです。他にも配送業者の倉庫や営業所の着荷日時の確認、配送期間中の専用問い合わせ窓口の設置などの体制について解説。「お客様に質の高い商品を、期日までに確実に届ける体制を整えました」(根本CEO)とのことでした。
4年前の「スカスカおせち」騒動では、対応しきれない大量の注文を受けたことも原因のひとつでした。今回の販売個数については「お客様の需要を見て、柔軟に対応したい」と具体的には明言をしませんでしたが、「品質、配送の体制からお約束できる範囲内で販売します」と強調していました。
質疑応答では、4年前の騒動に絡む質問が相次ぎました。
騒動後、グルーポンでは販売する商品やサービスの審査基準数を30件から200件に拡大しています。追加した審査基準について、根本CEOは「食材の産地や和牛の等級といった食材の質などを表示する場合、取引先から証明できるものを確認している」といった具体例を挙げました。
また4年前同様、期日通りに届かないケースが起こった場合には、「代替のおせち商品を速やかに再送できる体制をとっており、万が一の事故にも対応する準備を進めています」と説明しました。
今回の販売再開に際して、根本CEOは「おせちの問題を風化させる、風化を待つのではなく、(騒動以降の)改善や取り組んできた社内体制の変更などをおせちの形で紹介したいという気持ちです」と意気込みを語りました。その上で「こうした改善が着実に進んだのが、この4年間だったと思います」と振り返りました。
グルーポンのおせち販売ページは13日正午に公開されました。ページ左上には「もう一度、おせちからはじめます。」というコピーも添えられています。
騒動から4年を経て、販売を再開したグルーポンのおせち。購入者の元にきちんと期日通りに届くのか、購入者の満足を得られるのか。グルーポンの4年間の取り組みの真価は、来年のお正月に問われます。