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エボラ治療、病室の厳重対策 室内にトイレ、空気も漏らさず

 エボラ出血熱がどんな病室で治療されるのか。国内に45ある指定医療機関では感染力の高いウィルスを漏らさないため、厳重な対策が施されています。

エボラ出血熱など危険度の高い感染症患者用の病室。ベッド(中央)上の透明な器具は、病室まで患者を内部に入れて運ぶ「アイソレーター」。病室で患者を出し、ベッドに寝かせる=富山県立中央病院
エボラ出血熱など危険度の高い感染症患者用の病室。ベッド(中央)上の透明な器具は、病室まで患者を内部に入れて運ぶ「アイソレーター」。病室で患者を出し、ベッドに寝かせる=富山県立中央病院

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 エボラ出血熱がどんな病室で治療されるのか。感染力の高いウィルスを漏らさないため、厳重な対策が施されています。

室内にシャワーとトイレ

 指定医療機関の一つ富山県立中央病院では、ウィルスを外に漏らさないため病室内にトイレもシャワーも備えています。さらに、排水は独立した処理槽で消毒されます。

治療時に医療従事者が身につける防護服。この上にさらにガウンをはおり、足元も靴の上からカバーを履く=富山県立中央病院
治療時に医療従事者が身につける防護服。この上にさらにガウンをはおり、足元も靴の上からカバーを履く=富山県立中央病院
いずれも15平方メートルの個室で、ウイルスを外部に漏らさないよう様々な対策が施されている。シャワーとトイレが室内にあり、排水は独立した処理槽で消毒される。
富山)エボラ 県立中央病院が県内唯一の受け入れ機関:朝日新聞デジタル

気圧低くし、室内の空気を漏らさない

 病室の空気を屋外に排出する設備には高性能のフィルターが取り付けられています。室内の気圧を室外より低く保つことで、室内の空気が外に流れないようにしています。

室内の空気を屋外に排出する設備には高性能のフィルターが取り付けられているほか、室内の気圧を室外より低く保ち、室内の空気が外に流れないようにする「陰圧制御機能」も備える。
富山)エボラ 県立中央病院が県内唯一の受け入れ機関:朝日新聞デジタル

防護服、容器など使い捨て

 同じく指定医療機関の札幌市立札幌病院では、医療関係者が着る防護服や、患者の嘔吐物などを入れる容器は使い捨てにしています。さらに、捨てる際は132度の高温で減菌したうえで専門業者が回収します。

防護服を慎重に脱ぐ看護師。使用済みの防護服などは部屋にある機械(中央)で加熱処理される=22日午後4時48分、札幌市中央区の札幌市立病院、恵原弘太郎撮影
防護服を慎重に脱ぐ看護師。使用済みの防護服などは部屋にある機械(中央)で加熱処理される=22日午後4時48分、札幌市中央区の札幌市立病院、恵原弘太郎撮影
医療者が着る防護服や、患者の嘔吐(おうと)物や汚物を入れる容器などは使い捨てで、132度の高温で滅菌してから専門業者が回収する。病室で使った水も一般病棟の水と分けてため、熱処理してから処分する。病室にはトイレやシャワーもあり、患者はテレビ電話で家族らとやり取りできる。
エボラ対策、北海道でも進む 防護服の着脱訓練実施へ:朝日新聞デジタル

 厳重な対策が施されている病室について札幌市立札幌病院の感染管理担当課の鈴木久子課長は「きちんと管理された施設で治療すれば、感染拡大は防げることを知って欲しい。むやみに恐れる必要はない」と話しています。

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