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アキバで戦闘員を募集? 米国も恐れる武装組織「イスラム国」とは
中東の武装組織「イスラム国」に加わろうとしたとして、日本の大学性が警視庁から任意聴取を受けました。海外から数万の若者を引きつけて勢力を拡大し、米国も恐れるその実態とは。
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中東の武装組織「イスラム国」に加わろうとしたとして、日本の大学性が警視庁から任意聴取を受けました。海外から数万の若者を引きつけて勢力を拡大し、米国も恐れるその実態とは。
シリアに渡って中東の武装勢力「イスラム国」の戦闘に加わろうとしたとして、警視庁が北海道大の男子学生を事情聴取しました。シリア東部からイラク北部にかけて勢力を広げ、世界中から若者を引きつけるイスラム国とは。その実態をまとめました。
イスラム国は、アラビア語でal-Dawlah al-Islāmīyah(英語ではIslamic State)。今年6月にイスラム教の開祖である預言者ムハンマドの後継者(カリフ)を頂点とする国家の樹立を宣言したが、国際的には国として承認されていない。
イスラム国はその名の通り、イスラム教に基づいた国づくりを宣言している。しかし、その活動の過激さは、一般的なイスラム教徒中心の国家とは比較にならない。
警視庁は6日、北海道大の男子学生(26)が、シリアに渡ってイスラム国の戦闘に加わろうとしたとして刑法の私戦予備・陰謀の疑いで事情聴取したことを明らかにした。捜査の端緒は、東京・秋葉原の古書店に求人広告が出ているとの情報だったという。
欧米では以前から若者たちがイスラム国へわたり、兵士として戦闘に加わっていることが問題視されていた。国連安全保障委員会は9月24日、首脳級会合で具体的な措置を各国に求める決議を採択し、一部の国は旅券の没収や一時的な帰国拒否といった措置の検討を始めていた。
安保理の首脳級会合では、議長を務めたオバマ大統領が「彼らが自分の国に戻り、致命的な攻撃を実行しようとした例がこれまでにもあった」と指摘。こうした若者らが帰国すれば欧米でテロを起こす懸念があるとし、早急に対策を取る必要性を訴えた。
全会一致で採択した決議は、イスラム国の過激思想に感化された者がシリアなどに渡航したり、「ジハード(聖戦)戦士」として訓練を受けた後に自国に戻ったりすることを取り締まるよう各国に要請。資金の移動も制限できる法律の整備を、国連加盟国に義務づけた。また、テロ集団の動向についての情報交換を加盟国が進めるよう求めた。
約400人がイスラム国に加わったとされるドイツでも、対策がとられている。民間でも、ネオナチなど極右から若者を脱退させてきた組織が、そのノウハウを生かして若者たちの過激思想への傾倒を防ごうとしている。
米国は空爆に踏み切り、フランス、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、カタールも攻撃に参加した。日本は米国の行動への支持を表明している。
しかし、イスラム国は豊富な資金を背景に強大な勢力を維持。米国は地上部隊の投入も検討している。
現地ではジャーナリストが拉致され、殺されており、取材が困難になっている。米ニュースサイト「VICE News」はイスラム国を直接取材し、その模様をYoutubeで公開している。日本語字幕もついている。