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グルメ

お子様ランチ、なんで大人はダメなの? レストランに聞いてみた

 小さい頃に食べていたお子様ランチ、ふと懐かしくなるものの、レストランで頼むと「こちらはお子様限定メニューとなっております」と願いは叶わず。でもなんで大人は頼んじゃいけないの?

お子様ランチ
お子様ランチ 出典: imasia

目次

 子ども限定という条件がついていることの多いお子様ランチ。でも世の中には、お子様ランチを食べたい大人たちのつぶやきがあふれてます。

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 小さい頃食べたお子様ランチ、確かにふと懐かしくなって食べたくなります。しかし、レストランのメニューには「お子様限定メニュー」との表記。
 でもなんで大人は頼んじゃいけないの?聞いてみました。

聞いてみました

まずはガストやジョナサン、バーミヤンなどを展開するすかいらーく。各業態でさまざまなキッズメニューをそろえていますが、いずれのメニューにも「小学生以下の特別メニューになります」とあります。

すかいらーく広報によると、「お子様メニューは、お子様用の特別なメニューとしての位置づけ。プレゼント付きということもあり、原価が高く、通常のメニューのようには扱えません」。ただガストでは大人でも60歳以上の利用者には提供しているそうです。通常メニューだと量が多くて食べられないという声があり、対応しているそうです。

ジョナサンのおこさまハンバーグ
ジョナサンのおこさまハンバーグ 出典:すからーくHP
ガストのキッズハンバーグプレート
ガストのキッズハンバーグプレート 出典:すかいらーくHP

一方、ロイヤルホスト。こちらもやはりキッズメニューは小学生以下限定です。
ロイヤルホスト広報は「キッズメニューはお子様に『楽しい』『おいしい』という食の体験を提供するため」。大人と同じ料理を量を少なく、様々に食べられるようにすることで、食べる楽しみや、食事のマナーを知る機会を得て欲しいという、食育的な意味を込めているそうです。そのため、60歳以上も含め、大人はダメなんだそう。

ロイヤルホストのキッズメニュー、よくばりBOX
ロイヤルホストのキッズメニュー、よくばりBOX 出典:ロイヤルホストHP

大人が食べられるお店も

そう言われても、食べたい時はある・・・。そんな大人のニーズを意識して、大人も食べられるお子様ランチを提供しているお店もちらほら見られます。

大人でも食べられるお子様ランチ
大人でも食べられるお子様ランチ 出典:Baby King Kitchen
大人も食べられる「お子様ランチ」
大人も食べられる「お子様ランチ」 出典:東京ライス

【オマケ】お子様ランチ、誕生は1930年

まあせっかくですから、お子様ランチにならいオマケで歴史を少々。
お子様ランチが誕生したのは1930年、日本橋三越本店。開発のきっかけは「子ども向けの絵皿が入ったため」といいます。

1930(昭和5)年、ここ日本橋三越本店で「御子様洋食」が誕生した。富士山ライスとスパゲティ、クリームコロッケ、サンドイッチに金平糖も。値段は30銭だ。当時、食堂主任だった安藤太郎さんが、子ども向けの絵皿が入ったことから考案した。登山好きだったので、富士山をかたどったライスに、登頂旗を立てることを思いついたといわれている。
2014年3月29日朝日新聞夕刊 (あのとき・それから)昭和5年 お子様ランチ登場 大人も楽しむ夢の一皿
三越の1930年の「御子様洋食」の再現
三越の1930年の「御子様洋食」の再現 出典: 朝日新聞
松坂屋上野店では翌31年に「お子様ランチ」が登場。最初は型抜きした白いご飯だったが、32年の改良版では日の丸の旗が立ち、上は白飯、下はケチャップご飯の2色の富士山ライスとハンバーグやオムレツ、リンゴが盛られた。
2014年3月29日朝日新聞夕刊 (あのとき・それから)昭和5年 お子様ランチ登場 大人も楽しむ夢の一皿
松坂屋の1932年の「お子様ランチ」の再現
松坂屋の1932年の「お子様ランチ」の再現 出典: 朝日新聞

 人気は高度経済成長とともに高まりました。松坂屋上野店では60年代、ウルトラマンや怪獣をおまけにつけたため、日曜には1300食も出る大ヒットに。定番の旗は70、80年代のピーク期には生産が間に合わないほど注文が殺到したといいます。

 昭和の初めにお子様ランチが登場した背景には、1904~05(明治37~38)年の日露戦争後に大量生産、大量消費の時代が到来したことで、都市で増加したサラリーマンを中心とした「新中間階級」を狙ったマーケット戦略があるといいます。

デパートも新中間階級の子どもと家庭をターゲットにした戦略を展開しており、親子を呼び込む目玉商品としてお子様ランチが生まれたのでしょう。
東京成徳大学子ども学部教授・加藤理さん  2014年3月29日夕刊「お子様ランチ登場 大人も楽しむ夢の一皿」より
 高度経済成長期の60年代から70年代にかけて、家族でデパートに出かけ、大食堂でお子様ランチを食べることは、「ハレ」の日の楽しみの象徴でした。「富士山ライス」や旗は、食のテーマパークのように特別なものとしてとらえられ、人気になったのでしょう。
東京成徳大学子ども学部教授・加藤理さん  2014年3月29日夕刊「お子様ランチ登場 大人も楽しむ夢の一皿」より

 80年超の歴史の中で、お子様ランチは、大人が小さい頃の幸せな時間を思い起こす象徴のようにもなっているようです。健康志向も反映してか、昔のようにハンバーグにエビフライ、プリンといった子どもが好きなものを集めたプレートとも限らなくなっているお子様ランチ、今の子どもたちが大人になったらどんなイメージを持つのか、気になります。

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