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「しんでしまうとはなにごとか」ドラクエの台詞が人間くさかったワケ
王様に「しんでしまうとはなにごとだ」と怒られる。初代ドラクエの台詞は、妙に人間くさい。「短くて面白いせりふを考えているうちにあの言葉を思いつきました」。生みの親、堀井雄二さんに聞きました。
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王様に「しんでしまうとはなにごとだ」と怒られる。初代ドラクエの台詞は、妙に人間くさい。「短くて面白いせりふを考えているうちにあの言葉を思いつきました」。生みの親、堀井雄二さんに聞きました。
王様に「しんでしまうとはなにごとだ」と怒られる。初代ドラクエの台詞は、妙に人間くさい。「短くて面白いせりふを考えているうちにあの言葉を思いつきました」。生みの親、堀井雄二さんに聞きました。
初代ドラクエのオープニングはお城から始まります。一通りのコマンド(操作)を試した後、城の外に出ると対岸にもう一つの城が。一連の流れは全部、考え尽くされていたんです。
主人公が死んだ時、経験値をためて育てたレベルは下げず、お金は半分にして復活させる。やる気を失わせず、緊張感も保たれる、ゲームとしては絶妙な設定です。そして、一度聞いたら忘れない名ゼリフ。あらためて見返すと、それぞれに深い思想を感じてしまいます。
鳥山明さんデザインのキャラクター、特にスライムの造形は衝撃的な可愛さでした。ちょっとした台詞の言い回しも含め、当時、コンピューターがもっていた「冷たい」というイメージを何とかなくしたいという堀井さんの思いが伝わってきます。
100円を入れなくても、家でずっとゲームができる。ファミコンだったら、何日もかけて攻略するドラクエのようなRPGも楽しめる。家でやるゲームなら、あたたかみのあるものに。そうやって生まれたのが、人間くさい初代ドラクエだったんですね。
昔話としての「メモリー節約エピソード」はよく聞きますが、カタカナの種類まで絞っていたとは驚きです。会話が肝のRPGなのに、使える文字が少ないなんて。それでも多くの子どもを熱中させたのだからすごいもんです。
色んな「思想」を形にしたドラクエですが、やっぱり根っこには関西人としての堀井さんの「地」があったみたいです。じゃなきゃ、「トンヌラ」なんていうぶっ飛んだネーミングは出てこないはずです。
説明書を読まなくても楽しめるようにしていたというドラクエ。何だかアップル製品に通じる精神です。コマンドもあえて平仮名にするとか、細部へのこだわりもアップルみたい。
3Dとかソーシャルゲームとか言っている今でも、時代をこえて共感を呼ぶ堀井さんのドラクエに対する姿勢。徹夜覚悟で、またプレイしたくなりました。たまには王様に怒られるのも悪くないかもしれません。