話題
サザン好き過ぎて…気付いたらこんな紙面つくってた 朝日新聞
ある日の新聞のJリーグを報じたスポーツ面が、サザンオールスターズのヒット曲だらけに。偶然?わざと? 作った編集者に聞いたところ「出来栄えは自己採点では80点ぐらい」との答えが。
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ある日の新聞のJリーグを報じたスポーツ面が、サザンオールスターズのヒット曲だらけに。偶然?わざと? 作った編集者に聞いたところ「出来栄えは自己採点では80点ぐらい」との答えが。
自社ネタで恐縮ですが、7月28日付の朝日新聞朝刊(大阪本社版)が、ツイッターなどでちょっとした話題になったのをご存じでしょうか?
というのは、Jリーグを報じたスポーツ面が、サザンオールスターズのヒット曲だらけになっているからです。
かく言う記者(東京在住)も、気づいたのは翌日で、ツイッターからでしたが……。
「真夏の鹿島」→「真夏の果実」
「いなせな平山」→「いなせなロコモーション」
「いとしの2勝目」→「いとしのエリー」
「みんなの堅守」→「みんなのうた」
などなど。
見事にサザンのヒット曲のタイトルをもじった見出しが並びます。
さらには……。
桑田佳祐さんのソロ曲「波乗りジョニー」をもじった見出しも。
突然?偶然?それとも必然?サザン好きが高じて、気付かぬうちに…ということはあり得ないと思いますが、編集を担当した朝日新聞大阪編集センターに聞いてみました。
大阪編集センターによると、ヒット曲や何か別のニュースにひっかけてスポーツ面の見出しを作る、ということは時々あるそうです。
この日、レイアウトや見出しを担当したのは、同センターの小椋文智記者。スポーツ面の経験豊富なベテラン編集者です。
4年前の朝日新聞の高校野球面で「真夏の鹿実 23安打」「波乗り強打 新潟明訓」などの見出しが並んだ紙面を覚えていて、二番煎じではあるものの、いつか自分でもやってみたいと考えていたそうです。
ちなみに小椋記者、サザンの熱烈なファンというほどではないそうですが、カラオケで時々歌う程度には好きなアーティストだということです。
よく歌うのは「LOVE AFFAIR~秘密のデート」ですが、残念ながら今回の見出しには使えませんでした。
以下、小椋記者のコメントです。
「出来栄えは自己採点では80点ぐらいと思っていたのですが、特に周囲から反応がなく、『あんまり決まってなかったかな』とさみしく感じていました。でも今回、ツイッターで面白がっていただき、編集者としては『よっしゃ!』という気分です。目を引く紙面にするための遊び心を共感してもらえたとすれば、この上ない喜びなのです」
他にも、別のニュースにひっかけてスポーツ面の見出しを作ったケースをご紹介します。
まず2009年12月の流行語大賞発表の記事が掲載された日のスポーツ面です。
大賞に輝いた「政権交代」をはじめ、「歴女」「草食男子」などトップ10入りした言葉が見出しに取り込まれています。
2012年7月、上野動物園では、24年ぶりとなるジャイアントパンダの赤ちゃんが誕生しました。このニュースを掲載した日のスポーツ面では、お祝いムードを少し取り入れていました。
「出し尽くし」「量産」で、「出」「産」の文字が少し太めになっています。
他の見出しにも、母親の名前の「シンシン」や「祝」「誕生日」という言葉がさりげなくちりばめられていて、ツイッター上でもささやかながら反響があったそうです。
今回のサザンの件は、ツイッターでは「遊び心がある」との声もありました。
ただ遊び心一辺倒ではいけません。大阪編集センターの田村啓哉デスクは「見出しで読者にきちんと意味が伝わることが大前提です。何とかして工夫して紙面を魅力的にしたいという思いと、自分本位で分からない紙面になっていないかという冷静に紙面を客観視できるバランス感覚が重要です」と解説してくれました。
そんな絶妙な見出しを見つけた時は、にやりとしつつ、よろしければSNSなどで広めていただければ。きっと、その反応を見た編集者もほくそ笑んでいるはずです。