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かまぼこ板、捨てないで再利用を 実はポテンシャル高い木材
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かまぼこ板は何の木でできているか知っていますか?実はあの板、木材としてもすごく有能な板なんです。かまぼこの名産地である、神奈川県小田原市の会社が、かまぼこ板を捨てずにリメイクして便利グッズやアートの材料に使おうと呼びかけています。
そもそもなぜ、かまぼこには板がついているのでしょうか。
一つは、小田原かまぼこの大きな特徴である山高な扇形をつくるための土台としての役割があります。板がついていることで持ち運びにも便利です。
もう一つは、かまぼこを腐りにくくする「防腐剤」としての役目があります。
そうした役割を果たせる木材として江戸時代から選ばれてきたのが、クリスマスツリーでおなじみのモミの木です。
かまぼこ板の有効活用を呼びかける活動を広く知ってもらおうと2025年11月にリユースアイデアを発信するサイトを立ち上げた鈴廣かまぼこ(本社・神奈川県小田原市)販売推進部の白柳貴子さんによると、モミの木はかまぼこ作りに適した様々な利点があるそうです。
・スギやヒノキのような強い香りがなく、かまぼこの風味を邪魔しない
・ほどよい吸水性があり、かまぼこの余分な水分を吸ってくれる
・軽くて加工しやすい
・板が反ったり割れたりしにくく、板としての形状を安定して保ちやすい
・白っぽい木目は清潔感がある
こうした優れた性質を持つかまぼこ板ですが、現状は多くがかまぼこを食べたあとは捨てられてしまっています。
鈴廣かまぼこでは、年間で約800万枚のかまぼこ板を使っています。リユースの呼びかけを始めたきっかけは、「食べたあとに残る板を捨ててしまうのは、もったいない。何かに利用出来るのではないかという思考が原点です」
鈴廣かまぼこが提唱しているリユースアイデアの一つが、アート作品や工作の素材としての再利用です。
かまぼこ板は軽くて加工しやすく、着色もしやすいという特徴があります。また、最初から均一サイズの木材なので、同じ大きさのパーツが必要になったときにわざわざ木材から切り出す必要がありません。
自然素材であることも大きな魅力です。1枚1枚の木目が違うので、一点もののアート素材になり得ます。
鈴廣かまぼこは1982年から2016年まで、「かまぼこ板絵コンクール 小さな実術展」を開いていました。食べ終わったかまぼこ板にもう一度命を吹き込むべく、かまぼこ板をキャンバスにして絵を描いてもらおうという試みです。
開催当初は国内だけだったのですが、第10回から広く海外からも作品を募集して、多数の応募があったそうです。かまぼこ板ならではの形や趣を生かしたアート作品がたくさん生まれました。
かまぼこ板にお好みの色を塗って、積み木としても遊べます。
小田原ではかまぼこ板を使ってクリスマスツリーを作ったり、かまぼこ板を積み木に見立てて積み上げた高さを競う大会が開かれたりしたこともあるそうです。
また、表札やドアプレートにかまぼこ板を再利用する手もあります。大きさがジャストサイズで、木材用の塗料を使えば木目を生かしたまま色づけもできます。
小さいまな板としても使えます。ネギやニラ、ニンニクやショウガなどまな板ににおいが移りそうな素材を切るときにかまぼこ板の上で切ることを勧めています。ワサビやショウガなどを乗せる小皿として使ってみるのも一興です。
白柳さんは、かまぼこ板のリユースは持続可能な社会づくりにもつながると考えています。
「かまぼこ板は本来捨てられる素材ですが、活用することで廃材をただ捨てずに生かす取り組みは持続可能な社会に向けた小さなアクションだと考えていますし、SDGs的な視点でも意義があると思います。無理のない形で楽しみながら“ものを生かす”文化につなげていきたいです」
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