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「未成年が一番多い角打ち」ってどういうこと?ニュータウンでの光景
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1970年に開催されていた大阪万博を調べていたところ、ニュータウンで驚きの光景を目にしました。大人たちが角打ちを楽しむエリアに、ランドセルを背負った子どもたちが来店してきたのです。〝未成年が日本一多い角打ち〟で見えたものを紹介します。(朝日新聞記者・松尾葉奈)
え?酒屋に小学生?
来店の目的だった別の取材をあきらめかけたとき、驚きの光景が目に飛び込んできました。
記者の担当エリアは、千里ニュータウンがある大阪府の北摂地域です。
今年は大阪・関西万博が盛り上がりを見せましたが、1970年の大阪万博について調べていたところ、千里ニュータウンで驚きの光景を目にしました。
当時を知る人を探し、訪ねたのが「いなごや酒店」(豊中市新千里東町)です。
千里ニュータウンで60年代に創業し、大阪万博のパビリオンに飲料を配達していたといいます。
現社長のおいで、店員の松田健太郎さん(49)が取材に応じてくれました。
自身は大阪万博後の生まれ。当時働いていた松田さんの父も詳しくは覚えていないということで、事情を知る前社長はすでに亡くなっていました。
残念だが、取材はここまでか……。肩を落としていたら突然、ランドセルを背負った子ども数人が来店し、おやつにナッツやおかきを買っていきました。
聞けば、大人が店奥のカウンターで酒を楽しむ「角打ち」にも、クレープやかき氷を食べに通う小学生の常連がいるそうです。
松田さんが「『未成年が日本一多い角打ち』です」と笑っていました。
後日に訪ねると、多世代が交ざる光景が広がっていました。
6歳の小学生女児と家族、30代の独身男性、創業から通い続ける80代男性……。子どもから大人まで口々に「ここがあってよかった」と楽しげでした。
ちなみに月1回ほど、角打ちは近くの地区会館に「出張」するそうです。
演歌やロック、最新の流行曲などを松田さんがDJとして流し、子どもも大人も、食べて飲んで踊るといいます。
まちびらきから半世紀が経つニュータウン。世代を超えて新旧の住民が集う新たな「居場所」ができていました。
こうした取り組みが、地域の次の50年を形づくっていくのかもしれない……。そう感じた取材でした。