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急な腰痛、座ってひと休みしたいけれど…街中の〝冷たさ〟 夜廻り猫

腰が痛くなり、帰り道で「座って休めれば」という思いのよぎった女性でしたが…
腰が痛くなり、帰り道で「座って休めれば」という思いのよぎった女性でしたが… 出典: 夜廻り猫

急に腰が痛くなって、半休をとった女性。家までの道のりで、座ってひと休みしたいと考えましたが……。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、街中を見渡した女性のエピソードです。

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座りづらいベンチ、座れても…

急な腰痛で、半休をとった女性。歩いて帰る道すがら、「ちょっと座って休めれば」と街中を見渡しました。

しかし、バス停のベンチはとても小さく狭く、座面が浅い街中のベンチはゆっくり座ることもできません。

女性は「一瞬休むこともできないなんて、優しさがないよ」と心の中で憤ります。

すると、一軒家の前に「みんなの椅子です どなたでもお休みください」という看板の隣にベンチが置かれていました。

心ひかれた女性でしたが、ドアが開いて住民が出てきそうになると、ササッと立ち去ってしまいます。

「優しさがない世の中がいやなのに、優しくされたら詐欺か宗教かと思っちゃった」と振り返る女性。

夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵に、「うどん、食べる?」と声をかけるのでした。

杖を突いた高齢の女性が徒歩で…

作者の深谷かほるさんは、街中で高齢の女性が歩いているのを見たことを思い返します。

「腰が直角ぐらいに曲がっていて、杖をついて、私と同じ駅の方へ向かっていました。ゆっくりゆっくり、しかし休まず歩いてらっしゃいました」

駅までは健康な人が歩いても徒歩20分ほど。「途中で休めそうなベンチが道沿いにあるだろうか」と思い浮かべてみましたが、「ひとつもありません。病院の前でも。休めないことを覚悟して頑張ってらっしゃるんですよね」といいます。

「普通のようでいて、冷たい街なんだ、と思いました」

【マンガ「夜廻り猫」】
猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。
泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。
そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。ツイッター上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。

     ◇

深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本11巻(講談社)が2024年12月23日に発売。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が11月22日に発売。

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