連載
#274 #小山コータローの4コマ劇場
暑い夏、〝日傘〟 に改良案 「お前それ…」友人からの思わぬ指摘
飛んじゃうよ!

傘の思い出といえば、やはりこれですね。
僕は数年前、仕事のなんやかんや(ビジネスアクシデントカーニバル)によって生命の危機を感じた為心療内科に初めて行きました。
しかもこの時、生まれて初めての心療内科に電話をしたのですが、まず1件目は「今ちょっと初診はお断りしてるんです」といわれ別の病院を紹介してもらい、その紹介先の病院に電話したら最短でも数ヶ月先の受診といわれてしまい、白目と黒目が逆になり、右脳と左脳が入れ替わり、天地がひっくり返り、人間ががオオカミ男を見て月になっていました。
「もうだめかもしれんね」
と僕の中の4歳のチンパンジーがささやいていましたが
「年下のチンパンジーがため口で話しかけるな」
と一括してなんとか精神を保っていました。そして最後の砦の心療内科に電話したところ、2週間くらいだったか、そのくらい先の予約を入れてくれました。
当日は大雨…
傘を差してトボトボと歩きます。緊張も相まって心臓が口から飛び出すという動力を使ってブリキのおもちゃのように少しずつすすんでいきました。
心療内科の外に置いてある傘立てに傘を刺し、受付でアンケート用紙みたいなやつにいろいろ書いて、先生と僕と4歳のチンパンジーの3人でいろいろな話しをしました。
そして適応障害と診察され、薬を出してもらいました。
薬を出してもらったと言っても、皆さんが想像するような塗り薬ではありません。飲み薬です。
そしてきっと同じ悩みを持っているであろう人たちが座る待合室を抜けて外へでると、傘が盗まれていました。
「心療内科なのに~?」
と思いながら、僕は小雨になった道を4歳のチンパンジーと踊るように帰りましたとさ。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やXで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍『デリシャス・サンド・ウィッチーズ』(扶桑社)発売中。Xアカウントは@MG_kotaro。
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