連載
#273 #小山コータローの4コマ劇場
〝3秒後〟に「なんで…?」 ポテチ落とした後、謎の知らないルール
なんの3秒?

ルールの思い出といえば…いや、まぁルールというかお決まりの流れが小学校低学年の頃あったんですけど。
家族で車で出掛けて、山中を通ると必ず、父が母に小声で「お母さん…この辺に捨てていっちゃおうか…」と僕を捨てる計画を立て始めるのです。
でも僕はそれなりに可愛く素直な子どもだったので「捨てるわけがない」という99%の自信と「経済的な問題はあるかも」という1%の不安がありました。
なんかそのままにするのも怖いので「聞こえてるからwwwwww」と笑いながら、またまたご冗談を!みたいたテンションで一応口を挟むことにしていました。
父も「あっなんだ寝てなかったのか…」という生煮えのようなリアクションで応戦してきます。
ここからはもういらない設定も加わるのですが「この辺の山で罠にかかっていたタヌキを助けたんだ。それが、お母さんだ」というようなことも言っていました。
これに関しては「めちゃくちゃだ」と思っていましたが、逆にこの謎の設定があるせいで「僕を捨てるというのは、むしろタヌキの血が入った俺を故郷に帰すつもりなのでは?」「救済?」「タヌキの血とは?」と謎のリアリティを呼んでしまい毎回ソワソワしていました。
ある程度年齢をかさねると、そんなことも言われなくなりましたが、今思い出してみると手作り絵本体験教室に行った時に僕はこれを後世に残さないと行けないとタヌキの本能的に思ったのか「お母さんはタヌキ」というタイトルの絵本を作成しました。
オチがタイトルなのも含めてダメだと思います。
ちなみに実際のお母さんはミチコです。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やXで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍『デリシャス・サンド・ウィッチーズ』(扶桑社)発売中。Xアカウントは@MG_kotaro。
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