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再びの〝駐妻〟にモヤモヤ「私」から「母親」に戻ることが、苦しくて

夫の海外駐在をきっかけに、仕事を辞めて「駐妻」として、家事や子育てに追われたという女性。自由な雰囲気や優れた教育環境などから、日本に帰国してしばらくは、「早く駐在生活に戻りたい」と考えたこともあったそうです。しかし、実際にまた「来年ぐらいに海外赴任」がありそうだと分かったら――。
大手企業で総合職として働いていた40代女性は、夫の海外赴任をきっかけに退職し、専業主婦となりました。
駐在中に生まれた2人の子どもも小学生となり、帰国してからは契約社員として働いていましたが、再び夫に駐在の話がきました。
また「○○ちゃんの母」に戻るのかとモヤモヤしてしまい……。
番組ではリスナーさんのおたよりをもとに、朝日新聞の記者3人が語り合いました。
この夏から家族で海外留学へ行く予定の記者が思いを語ったり、イランの特派員として家族みんなで暮らした記者が経験を語ったりしました。
※2025年6月25日に収録しました
番組内では、「駐妻」としての生活や親になったあとの呼ばれ方について話が広がりました。
子どもを育てる2人の男性記者は、「おたよりから夫の存在が見えてこない」と気になった様子。
もちろん、おたよりを送ってくれたリスナーさんがすべてを語ってくれているわけではありません。ですが、寄せられた内容を見るに夫さんが今どんな関わり方をしているのか、実際に駐在生活を送る場合は妻の負担をどう考えているのか、聞いてみたいと思いました。
駐在はお子さんにとってもご自身にとっても貴重な時間になると思いますが、夫婦2人がどう考えるのかが大切です。
リスナーさんのおたよりには、「誰々の妻、もしくは誰々ちゃんのお母さん」と呼ばれることへの苦しさも書かれています。
筆者はこの話を聞き、2011年放送のドラマ『名前をなくした女神』(フジテレビ系)を思い出していました。
子どもが中心のコミュニティでは、自分の名前ではなく「誰々ちゃんママ」として過ごす母親たち。今でこそ父親も子どものコミュニティに入ることはありますが、まだまだこの感覚は母親に偏っているのではないでしょうか。
ドラマの印象が強く残っていたので、自分が親になってからは「○○ちゃんママ」「○○ちゃんパパ」と呼ばずに名前で呼ぶようにしています。相手の名前を聞くところからコミュニケーションが始まります。
駐在のテーマを通して、夫婦や家族、親同士のコミュニケーションについて考えました。
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