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再びの〝駐妻〟にモヤモヤ「私」から「母親」に戻ることが、苦しくて

出典: Getty Images ※画像はイメージです

夫の海外駐在をきっかけに、仕事を辞めて「駐妻」として、家事や子育てに追われたという女性。自由な雰囲気や優れた教育環境などから、日本に帰国してしばらくは、「早く駐在生活に戻りたい」と考えたこともあったそうです。しかし、実際にまた「来年ぐらいに海外赴任」がありそうだと分かったら――。

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朝日新聞ポッドキャスト「親モヤ」

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また「○○ちゃんの母」に戻るのか…モヤモヤ

大手企業で総合職として働いていた40代女性は、夫の海外赴任をきっかけに退職し、専業主婦となりました。

駐在中に生まれた2人の子どもも小学生となり、帰国してからは契約社員として働いていましたが、再び夫に駐在の話がきました。

また「○○ちゃんの母」に戻るのかとモヤモヤしてしまい……。

私は以前駐在妻をしていました。

その前は大手企業で総合職としてバリバリ働いていたのですが、夫の海外駐在をきっかけに仕事を辞め、約10年ほどの駐在中に2人の子どもを出産し、日本に帰ってからは、しばらくは専業主婦をしていました。

駐在中は、自分の両親などの助けがない中で必死に育児をしていました。駐在員としての夫は、想像以上に忙しく、出張で不在も多く、ほとんどがワンオペで、とても目まぐるしい日々でした。

日本人コミュニティーで出会った同じ駐在員のお友達家族や、ご近所の現地の方々に助けられ何とかやってこれましたが、子どもたちのとても可愛い時期に余裕のない育児をしていたなぁと、思い出すだけで胸が締め付けられる後悔もあります。

その日その日を、子どもを元気に寝かすことがやっとの毎日でした。

しかし、日本にはない、他人の目を気にしない現地の自由な暮らし方や、子どもの教育環境の素晴らしさに、日本に帰国してしばらくは、早くまた、駐在生活に戻りたいという気持ちがありました。

日本に帰国して数年経った今、子どもが2人とも小学生になり、私も契約社員として週に何日か働きに出るようになり、バリバリと働いていたときのように、「母親」から私個人として自分らしくいられる時間が持てるようになり、育児が大変だった日々に比べて毎日がとても充実しているように感じています。

そこに来て、来年あたりにまた駐在の話が出てきました。

あんなに戻りたかった駐在生活だったはずなのに、今とても悩んでいます。

夫にとっても子どもにとっても、駐在に行った方が今後のためになると頭ではわかっています。

しかし、また無職となり、誰々の妻、もしくは誰々ちゃんのお母さん、と言う立場に戻るのが少し苦しく感じます。

駐在先では、小学生だけでは行動できないため、常に子どものドライバーにならなければならないこともつらいです。

また、いずれ慣れるとは言え、子どもたちの新しい環境での葛藤や勉強面のサポートを私だけが全面的にしていかなければならないという負担も、考えただけでとても不安です。

はじめての駐在ではないので、やり方がわかっているとは言え、だからこそ、その負担を知っているだけに、自分だけがとてもつらいように感じてしまいます。

夫の事は大好きだし、仕事に専念できるようにサポートしてあげたいと言う思いはあるので、単身赴任と言う選択肢はないです。

まだ正式に駐在のオファーをいただいたわけではありませんが、ご意見を聞かせていただけると嬉しいです。

番組ではリスナーさんのおたよりをもとに、朝日新聞の記者3人が語り合いました。

この夏から家族で海外留学へ行く予定の記者が思いを語ったり、イランの特派員として家族みんなで暮らした記者が経験を語ったりしました。

※2025年6月25日に収録しました

【朝ポキ・おたよりフォーム】
みなさんのご感想・ご意見など、お待ちしています!
https://bit.ly/asapoki_otayori

母親になっての呼び方、呼ばれ方

番組内では、「駐妻」としての生活や親になったあとの呼ばれ方について話が広がりました。

子どもを育てる2人の男性記者は、「おたよりから夫の存在が見えてこない」と気になった様子。

もちろん、おたよりを送ってくれたリスナーさんがすべてを語ってくれているわけではありません。ですが、寄せられた内容を見るに夫さんが今どんな関わり方をしているのか、実際に駐在生活を送る場合は妻の負担をどう考えているのか、聞いてみたいと思いました。

駐在はお子さんにとってもご自身にとっても貴重な時間になると思いますが、夫婦2人がどう考えるのかが大切です。

リスナーさんのおたよりには、「誰々の妻、もしくは誰々ちゃんのお母さん」と呼ばれることへの苦しさも書かれています。

筆者はこの話を聞き、2011年放送のドラマ『名前をなくした女神』(フジテレビ系)を思い出していました。

子どもが中心のコミュニティでは、自分の名前ではなく「誰々ちゃんママ」として過ごす母親たち。今でこそ父親も子どものコミュニティに入ることはありますが、まだまだこの感覚は母親に偏っているのではないでしょうか。

ドラマの印象が強く残っていたので、自分が親になってからは「○○ちゃんママ」「○○ちゃんパパ」と呼ばずに名前で呼ぶようにしています。相手の名前を聞くところからコミュニケーションが始まります。

駐在のテーマを通して、夫婦や家族、親同士のコミュニケーションについて考えました。

朝日新聞ポッドキャスト「親のモヤモヤ」では、子育てや親をテーマに語っています
朝日新聞ポッドキャスト「親のモヤモヤ」では、子育てや親をテーマに語っています 出典:朝日新聞ポッドキャスト

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