保育園などの入退室の管理や先生とやりとりする連絡帳などの機能を保護者に提供するアプリ「コドモン」に4日朝、障害が発生しました。約300万人の保護者が使用する最大手のICTシステムで、SNSには関連する投稿が相次ぎ、Xで一時トレンド入りする騒ぎになりました。障害は約2時間で復旧し、運営企業がお詫びを発表しました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
保育・教育施設で導入されているICTシステムとして最大手の「コドモン」。その保護者用アプリには、施設への入退室の管理や連絡帳で先生と保護者がコミュニケーションする機能などがあります。
運営によれば、2024年11月時点で、システムを利用する保護者数は約315万人。全国2万施設以上で導入されています。2023年1月の東京商工リサーチ調べでは、導入施設数などでシェア1位のシステムだということです。
その保護者用アプリが4日朝、「接続しづらい事象が発生しています」として、障害の発生を報告しました。
保育園の朝の登園の時間帯で、昨晩から朝にかけての子どもの様子を連絡帳に記録したり、入室の登録をしたりする時間と重なったことで、SNSにはアプリの利用者とみられる人たちから不具合を報告する投稿が相次ぎました。
「朝から全ての流れをぶち壊してくる感じ」「この時間にダウンはキツイって」といった悲痛な投稿や、「連絡帳まだ途中だったのに」「入室登録できてないんだけど大丈夫かな」と心配する投稿、スクールバス・園バスの位置情報がリアルタイムに確認できる機能について「バス今どこ~~~」と呼びかける投稿もありました。
X(旧Twitter)では一時「コドモン」がトレンド入り。こうした声を受けて、運営企業は公式Xアカウントで「朝のお忙しいお時間帯にご不便とご心配をお掛けし、深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。
一方で、「いま日本中の親との謎の一体感を感じる」「中の人がんばって」「コドモン、いつもありがとう」と、普段から利用するアプリへの感謝の声も上がっています。
コドモンを運営する株式会社コドモンの広報担当者によれば、障害は7時48分~8時42分に発生。10時までに解消を確認したということです。原因については「現在も調査中」としました。
影響範囲は「『接続しづらい』という事象で、接続できたユーザーとできなかったユーザーがいるため、把握するのが困難」とした上で、保護者アプリの過去1カ月のアクティブユーザーは約120万人/日、障害が起きた8時台の過去1カ月のアクティブユーザーは約50万人だった、とした。
同社の広報担当者は今回の障害発生について「利用者のみなさまには、朝のもっともお忙しい時間にご不便ご心配をおかけし、大変申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。障害発生の原因への対策を強化し、再発防止とより使いやすいサービスのご提供に努めてまいります」とコメントしました。