ネットの話題
「こんなに進化するんや」 ぬいぐるみ「投げて撮る」の結果に騒然
「ぬいぐるみを投げて写真を撮る」という挑戦の過程が、SNSで話題になりました。最初はぶれぶれの写真でしたが、コツをアドバイスされて1週間で「こんなに進化するんや…」と驚きの変化を遂げます。そもそも、なぜぬいぐるみを投げようと思ったのか、投稿者に話を聞きました。
《ぬいぐるみ投げて写真撮るやつやりたくて、投げる用のぬいぐるみ作った
今度外で撮影するからその前に家で予行練習したけど才能が無さすぎる》
画像を見ると、片方の手で拳を突き上げたポーズの「投げる用のぬいぐるみ」が宙を舞っています。どれも、焦点が後ろの壁にあっていたり、ぶれぶれになったりと、ぬいぐるみそのものが鮮明ではありません。
《上手な人コツを教えてください泣》と呼びかけました。
この投稿には、「躍動感があってかわいい」「すでに面白いのでこれでいいんじゃないか」とブレ感にも一定の評価がされつつ、「ピントを固定。その固定したピントあたりにめがけて投げて撮影する」、「タイマー3秒から連写する設定にして、やさしく投げるのに専念する」など、ぬいぐるみを投げて撮影する「コツ」が集まりました。
ぬいぐるみ投げて写真撮るやつやりたくて、投げる用のぬいぐるみ作った 今度外で撮影するからその前に家で予行練習したけど才能が無さすぎる
— ノナ子(ぬいぐるみを作ります) (@chiku2_nonako) August 6, 2024
上手な人コツを教えてください 泣 pic.twitter.com/Gyo39QgWkW
投稿者のノナ子さんに話を聞いてみました。
ぬいぐるみ作家として活躍するノナ子さん、こと、佐藤花音(かのん)さんは、Xのタイムラインで偶然、ぬいぐるみを投げて撮影する人に目が留まりました。
「私もやりたいなー」。そう思っただけでは終わらず、ぬいぐるみ作家として思い立ちます。「せっかくなら投げた時の姿が一番良い、投げる用のぬいぐるみを作ろう!」
ノナ子さんが作るぬいぐるみは、どれも、見た目は犬や猫、クマなど「動物っぽい」姿をしていますが、二本足で立ち、表情やしぐさにはどことなく「人間くささ」があります。
それは「人間特有のかわいい部分、愛すべき部分、人間特有のしぐさや表情を、動物の姿を借りて表現したい」と思って作っているからだそうです。
「投げぬい(投げる用のぬいぐるみ)」は、2種類準備しました。白いイヌっぽいぬいぐるみは、片手を突き上げて、片足を曲げてジャンプしながら、全身で喜びを表現しているように見えます。作品名は「投げぬい(よっしゃー)」。
もう一つの「投げぬい(わーい)」は、大の字で満面の笑みを浮かべたクマっぽい姿。見ていると、つられて笑ってしまいそうな表情です。
「投げぬい」の撮影は、ある晴れた日、屋外で決行しました。
SNSでもらったアドバイスを念頭に、撮影に臨みました。撮影する人がしゃがんで、あおり気味にカメラを向けると、高く投げなくても、高く飛んでいるように見えることが分かりました。
ひとりでやると「絶対ぬいぐるみを落とす」と分かったため、投げる係と、撮る係に担当を分けました。この日は、父母が手伝いに来てくれましたが、「(私は)25歳です。ちょっと恥ずかしかったです」。
「とにもかくにも、光量が大事」と実感する撮影だったそうです。そしていくつかの〝成功写真〟が生まれました。
クマは空に浮かぶふわふわの雲の上で寝そべっているかのようで、気持ちよさそう。
空に思いっきりジャンプしたように見えるイヌも、とても楽しそうです。
何度も何度も青空に放たれて、自由を謳歌しているようなぬいぐるみたちの姿が投稿されると、Xでは、「めちゃうまくなってる」「こんなに進化するんや…」「すごく気持ちが良い写真」「良すぎて泣けてくる」と感動するコメントが付きました。
昔からぬいぐるみは「好きな方」だった佐藤さん。手先が器用で、様々なものづくりに挑戦する中で、一番しっくりきた〝布〟で、ぬいぐるみを表現手法に選びました。
「言い方は悪いですが、『この世に全く役に立たないモノ』を作ってそれを仕事にできるということは、とても人間らしくて素敵なことかもしれないと思ったのも、ぬいぐるみ作家を仕事に選んだ理由の一つです」
人のしぐさや表情など、ぬいぐるみで表現したい「人間の愛すべき部分」は、アイデアとして60個ほどメモにためていると言います。
人間はときどき、目を背けたくなるような「醜い部分」を見せることもありますが、「それだけではない、というのを覚えていたくて」作品を作っているというノナ子さん。作ったぬいぐるみたちに、こんな思いを込めています。
「見た人が、ぬいぐるみを通して、人間や世界を愛らしく思えるようになったとすれば、それが一番うれしいし、理想だなと思います」
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