「使用中に破損して、破片が飛び目を負傷した事故が発生」「使用を中止してください」と国民生活センターが呼びかけたのは、祭りの景品などとしても配布されるぶんぶんゴマでした。遠心力により最高時の速度は時速約160kmに達するとされ、注意が必要です。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
国民生活センターは8月、回転させる玩具を使用中に、破片が飛び目を負傷する事故が発生したとして、当該の商品を持つ人に、使用を中止するように呼びかけました。
商品名「フラッシュぶんぶんゴマ」は、円形の回転体に通した紐の両端のリングをタイミングよく引いたり緩めたりすることで回転させて遊ぶ玩具です。
当該商品を飲食店でおまけとしてもらった20代男性が回転させたところ、数秒で破損し、破片が目に当たり負傷したとのことです。ほかにも今年4月に、同じ商品で同様に目をけがした事例がありました。
同センターが商品テストをしたところ、亀裂や割れなどの損傷がある状態で使用すると、回転中に破断し、破片が高速で放出される可能性があることがわかりました。
同センターは通信販売で50個入りで販売されていた同型商品を購入し、外観を確認。回転体に亀裂や割れが生じている個体が複数確認され、それらを回転させたところ、10回程度、回転させただけで部品の一部が破断し、破片が飛散するものがあったということです。
大人が通常使用したときの回転速度を調査したところ、最高回転時の回転体の外周速度は時速約160kmに達し、回転中に破断し破片が飛散した場合には、この速度で放出される可能性があるとみられます。
「フラッシュぶんぶんゴマ」の販売事業者である株式会社三洋堂は、当該商品の販売を停止。「お詫びとお願い」として<一部プラスチック本体に亀裂や割れが発生したものが流通し、使用の際に回転で割れが破損する>と原因を説明し、<誠に恐れ入りますが、直ちに使用を中止していただくよう>としています。
通販サイトでは同じ50個入りの商品が過去に「子供」「夏イベント」「祭り」「縁日」などのタグを付けられて販売されており、今後も祭りの景品などで配布されるおそれがあります。同型商品が手元にある場合は、使用を中止し、子どもにも遊ばせないように警戒が必要です。