消費者庁は8日付で、パーソナルジム大手のRIZAPが運営するコンビニジム「chocoZAP」について、景品表示法に違反するステルスマーケティング(ステマ)や、優良誤認をさせるような表示が認められたとして、措置命令を出しました。RIZAPは公式サイト上で「厳粛かつ真摯に受け止める」と発表しました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
体形を劇的に変化させる印象的なテレビCMで認知され、急速に拡大した後、業績の悪化も指摘されていたRIZAP(ライザップ)。それを回復させたのが、近年、大量出店していたchocoZAP(チョコザップ)事業でした。同事業の拡大により2024年3月期決算では5年ぶりの増収、25年3月期は増収増益を見込んでいました。
このchocoZAP事業に対して、消費者庁が8日付で、景品表示法に違反するステルスマーケティング(ステマ)や、優良誤認をさせるような表示が認められたとして、措置命令を出しました。
同庁によれば、RIZAP社は2024年3月28日および29日に、「\\1回たった10分で//理想の白い歯へ」と称する同社ウェブサイトにおいて、「追加料金なしで全サービスも24時間使い放題!」「ボディメイクや美容ケアはもちろん、リラクゼーションやワーキングスペースも好きな時にご利用可能です!」等、あたかも各サービスについて、1日24時間のうち、いつでも、または好きな時に利用できるかのように示す表示をしていました。
しかし、実際には利用できる最大の合計時間数はセルフホワイトニングで1日5時間、セルフエステ・マッサージチェアは14時間40分と、24時間いつでも利用できるものではありませんでした。同庁はこれを優良誤認表示に該当すると指摘しています。
また、3月28日に、「セルフでも簡単!毎日をもっとキレイに! 完璧つるすべ肌へ 業務用脱毛マシン採用」と称する自社ウェブサイトの「SNSでも話題!絶賛の口コミ続々」との表示箇所において、RIZAPが依頼した投稿であることを明らかにせずにSNSの投稿を抜粋するなどしていました。
このウェブサイトでは、サングラスをかけた女性がセルフ脱毛の機器を使用する画像と共に、「気になっていた『chocoZAP』ついに入会しちゃった」「なんと完全個室のセルフ脱毛が使い放題 !!←これにかなり惹かれた感ある」「しかも服装自由・シューズの履き替え不要で来たままの服装でメチャクチャ気軽に通える!」等と表示していましたが、これはRIZAPが表示内容の決定に関与するものでした。
そのため、同庁は表示(ウェブサイト)内容全体から、一般消費者にとって事業者が内容の決定に関与する表示であることが明瞭になっているとは認められないことから、これをステルスマーケティングに該当すると指摘しました。
今回消費者庁から指摘を受けた表示物に関して、RIZAPは公式サイト上で「誤認を与える可能性があったことを認め、修正・改善が必要なものと捉えており、現時点で該当表示物を削除、修正しております」「表示物に関する十分な確認ができておらず、お客様をはじめとする関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます」とするコメントを発表しました。
また、今後については「今回の措置命令を厳粛かつ真摯に受け止め、社員教育のさらなる徹底、掲載前の社内審査など、景品表示法をはじめとするコンプライアンス及び管理体制を強化し、適正な広告表示を遵守し信頼回復に努めてまいります」としました。