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「暑さでシワシワになった」ブルーベリーの真実 農園の投稿が話題
「暑さで水分が抜けシワシワになっている」ブルーベリー。見かけても食べずに避けてしまいそうですが、ブルーベリー農園が「見た目は悪いですが」と伝えた〝真実〟が、Xで話題になっています。話を聞きました。
投稿した画像は、枝についている、シワシワのブルーベリー。
《暑さで水分が抜けシワシワになったブルーベリーは、見た目は悪いですが、甘さが凝縮され干し葡萄のように美味しいですよ》
この投稿には「買います!」「食べてみたい!」「貴腐ワインのブドウのようなものか」「天然ドライフルーツ」「家でも収穫遅らせてみよう」「素敵な情報ありがとうございます」と反応が相次ぎ、14万件のいいねがつきました。
何度もすみませんが、暑さで水分が抜けシワシワになったブルーベリーは、見た目は悪いですが、甘さが凝縮され干し葡萄のように美味しいですよ pic.twitter.com/qaX13CzTzc
— 岩崎ファーム (@iwasakifarm) July 21, 2024
岩崎ファームの代表・岩崎泰樹(ひろき)さんに話を聞きました。
ブルーベリーすらシワシワにさせてしまう酷暑。画像には「ブルーベリーの水分まで搾り取る暑さ」と驚きの声が上がりましたが、「これからの季節、ブルーベリー狩りでは良く見かける光景」なのだそうです。話題になった「シワシワ」の画像は昨年8月ごろに撮影したもの。
岩崎さんによると、ブルーベリーの実は、最初は白っぽく、熟すたびにピンクから紫、そして完熟すると黒っぽく色が変わっていくと言います。
ただ、梅雨が明けて、雨が降らなくなり、暑い日が続くと、完熟する前にシワシワに。そうなると、商品価値がなくなってしまいます。
そうなる前に収穫して冷凍するか、シワシワになってしまったものは廃棄するしかないそうです。
けれど、完熟間際のシワシワになっている実は、「水分が抜けて、甘みが凝縮されて、酸味がなく、とにかく甘い」と言います。
投稿には「チーズケーキのソースにしたい」「ラム酒漬けに」「酒のつまみになりそう」など、そのおいしさに想像を膨らませる声もありましたが、残念ながら、販売する予定はないそう。
というのも、そういった実は日持ちがしなかったり、パックに入れるとつぶれてしまったりするため、売りづらいという事情があるそうです。
私たちが普段スーパーなどでパックで買っているブルーベリーは、「完熟」手前の若い実。
「とにかく甘い」シワシワのブルーベリーは、酷暑のなかのブルーベリー狩りに訪れた人だけが味わえる〝贅沢〟な経験のようです。
岩崎さんによると、シワシワのブルーベリーでも、見極め方のコツがあるそう。「手に持った時に、べちゃっと水分が出るようなものは、食べ頃を過ぎてしまっています」と食べないように呼びかけます。
厳しい暑さのせいで、特に今夏はブルーベリー狩りの客が少なく、岩崎ファームも「大変厳しい状況」とのこと。
岩崎ファームでは、7月中旬から8月末ごろまでブルーベリー狩りをやっており、90分間の食べ放題中、エアコンが効いたカフェに出入り自由で、「涼みながらブルーベリーを堪能できる」というのを売りにしているそうです。
園内では約20種類のブルーベリーが栽培されており、夏のブルーベリー狩りでのおすすめ品種の「ブライトウェル」は「甘み、風味、サイズとも申し分なく、めっちゃおいしいですよ」。
「ぜひ、ブルーベリー狩りに足を運んでもらって、若くて甘酸っぱい実から、シワシワの甘い実まで、食べ比べて頂きたいです。まだたくさん余っています。収穫が間に合わないぐらいです」と話していました。
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