連載
#217 #小山コータローの4コマ劇場
公園でのボール〝遊び〟注意された少年 「見てましたよね?」の真意
ボール「遊び」は禁止ね!了解!
見方を変えた思い出といえば、小学生の時のことです。僕は幼い頃から両親が共働きだったのでいわゆる鍵っ子でした。
家に帰って誰もいないのが寂しいかと言われるとそうでもなく「俺は鍵っ子」「鍵を司りし者」「今日のキーマンは俺」と言った自負を抱えていたため、むしろ家に帰れば誰かいる友達を下に見ていることさえありました。
「玄関開けたら人がいるなんてナンセンス」
「人がいないからこそ自我を解放できるのだ」
そんな思いを抱きながら生活していましたが、当時は当然インターネットもYouTubeもありません。
あるのは大量の藁半紙(わらばんし・・・子供が見てもわかるあきらかに粗末な紙)と、漫画くらいです。
時間を潰すのに圧倒的に足りないエンターテイメントをカバーするには、想像力を働かせるしかないのです。「むしろ何もないからこそなんでもできる!」という、綺麗な心を手に入れることに成功したのです。本当は何かあったほうがいいのに。
「見方を変えればなんでもエンターテイメントなんだ!」
僕は心の中でそう叫びながら、シャーペンやボールペンの中間を切断して再度上部と下部をくっつけることで、とにかく持ちにくいし書きにくい文房具を作ることに没頭していました。
今思えば、暇すぎて頭がおかしくなっていたんだと思います。見方を変えればいいというものではありませんよ。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍「デリシャス・サンド・ウィッチーズ」(扶桑社)発売中。Twitterアカウントは@MG_kotaro。
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