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#14 宇宙天文トリビア
はやぶさ2が探査する小惑星、名前を募集中 ちょっと難しい条件も?
小惑星「リュウグウ」の砂を地球へ持ち帰った探査機「はやぶさ2」は今、新たに探査する天体へ向かって飛行を続けています。次の目的地は「2001 CC21」という小惑星。この小惑星に名前を付けようというキャンペーンが始まっています。この命名には、いくつかの条件があるようで……。
はやぶさ2が、リュウグウの砂が入ったカプセルを地球に落としたのは2020年12月のこと。燃料がまだ残っているため、その後も宇宙で旅を続けています。
最終的な目的地は「1998 KY26」という小惑星で、到着するのは2031年7月です。その途中、2026年7月にギリギリまで近づいて観測しようと試みているのが小惑星「2001 CC21」です。
「2001 CC21」というのは符号のようなもの。小惑星が発見され、軌道が推定されると付けられます。
はやぶさ初号機が訪れた小惑星イトカワは「1998 SF36」、はやぶさ2が探査したリュウグウは「1999 JU3」でした。
今回、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、この小惑星に名前を付けるキャンペーンを始めました。
「2001 CC21」は、2001年2月3日に米国のチームが発見しました。
本来、発見者・発見チームなどに命名権があり、このチームが国際天文学連合に名称を提案できるのですが、はやぶさ2チームがお願いして日本で命名する許可をもらったそうです。
ちなみにこの米国のチームは、イトカワもリュウグウも発見しています。その時も小惑星の命名を許可してくれたといいます。
「2001 CC21」については望遠鏡による観測で少しずつですが、どんな小惑星かがわかってきています。
大きさは440〜700メートルほど。リュウグウは球のような形でしたが、「2001 CC21」はイトカワのような伸びた形のようです。
地球の軌道から少しずれたところを、地球とほぼ同じ大きさの軌道で太陽の周りを回っています。
小惑星に名前を付けるときには、国際天文学連合で決められている規則にしたがって応募することになります。決まりをいくつか挙げてみました。
最後の条件の「NEO」とは地球に接近する軌道を持つ天体のことで、地球に衝突する可能性があるものです。実は「2001 CC21」はNEOなので、この条件も関係してきます。
JAXAは「できれば神話由来の名称を考えてみてください」とのこと。
「ただ、小惑星イトカワのようにNEOなのに神話由来の名前ではない例外もあります。多くのみなさんから名前の提案がいただけるとうれしいです」と呼びかけています。
詳細や応募は以下のリンクから。締め切りは5月9日です。
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