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カピバラ好きによるカピバラだけの写真展 10回続けてこられたワケ
「かわいい」「癒やされる」
片脚立ちしたり、打たせ湯で温まっていたり、マッサージをされてうっとりしていたり。カピバラ好きから寄せられた、カピバラの写真だけを集めた展示会が、神奈川県で開かれています。2018年に始めた写真展は今回で10回目。応募者の数は、1回目の3倍になりました。
長井海の手公園ソレイユの丘(神奈川県横須賀市)で開かれている「カピバラ写真展」。全国のカピバラ好きから寄せられた魅力的なカピバラの写真が60枚展示されています。
写真には「CN(カピバラ好きネーム)」や撮影地、注目ポイントが添えられていて、カピバラ愛にあふれています。
撮影されたのは、長崎バイオパーク(長崎県)や姫路セントラルパーク(兵庫県)、しろとり動物園(香川県)、伊豆シャボテン公園(静岡県)、市川市動植物園(千葉県)などのカピバラたちです。
多くは動物園や水族館ですが、南米・ボリビアで撮影された野生のカピバラの姿を写したものもあり、こんな紹介文が添えられていました。
展示スペースには多くの家族連れが訪れ、子どもたちが「かわいいー!」と言いながら指をさしたり、写真を撮ったりしていました。
カピバラ写真展は、2018年8月から年数回ペースで開催し。今回で10回目です。これまでの主な開催地は東京でしたが、カピバラが飼育されていることもあり、ソレイユの丘で初開催しました。
写真展を企画したのは、アニメの聖地巡礼などコンテンツツーリズムにかかわる「聖地会議」(神奈川県)です。
2018年に始まった当初は、開催場所となっていた観光情報センター「東京シティアイ」(東京都千代田区)で、コスプレ写真展と併せて開催していました。
東京シティアイに、「東京から全国に向けて発信する催しを」と依頼を受けた聖地会議が、「コスプレもカピバラも、全国に愛好者がいて写真は撮るが、せっかく撮ったものを共有する場がない」と、写真展を提案したそうです。
最初の頃の応募人数は20人程度でしたが、その後口コミなどで開催するごとに応募者が増え、10回目には3倍になっています。
自身もカピバラ好きという聖地会議の柿崎和美さんは、カピバラの魅力について「ボーッとしているように見えるところが癒やされますし、実は走ると速いと言われていて、知れば知るほどおもしろいんです」と語ります。
写真展を支えているのは、「カピバラを好きな気持ち」です。過去には、カピバラ写真家・渡辺克仁さんのトークショーも開きました。
回を重ねるごとに、カピバラ好き以外の目にも触れ、「カピバラについて知らない人や、興味のない人にも見てもらえてうれしい。たくさんの人が楽しんでくれています」と手応えを感じています。
写真展を開く場合、パネルや額を用意したり、スタッフを集めたり、お金も手間もかかりがち。しかし、カピバラ写真展は「無理をしないからこそ続けてこられた」と、聖地会議代表の柿崎俊道さんは笑います。
設営はカピバラ好きの有志3人がボランティアで手伝ってくれ、写真展の旗やカピバラのパネルも持ってきてくれました。写真はアルファベットCAPYBARA(カピバラ)のつづりを模して並べ、「手作り感」のある展示になっています。
「コンテンツツーリズムをカピバラでやっていきたい」と俊道さん。9回目からは、横須賀市の企業の協力で「よこすかカピバラカレー」などのグッズも作りました。今後も年1、2回、聖地会議の拠点である横須賀市内や、カピバラのいる施設での展示を目指しているそうです。
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カピバラ写真展は、9月18日(月)まで。17日(日)には、カピバラオリジナルグッズを集めたフリーマーケットや、ソレイユの丘のカピバラ飼育員によるトークステージが開かれる予定です。
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