ネットの話題
わずか1年で元の味に戻しました 「リプトン ミルクティー」の決断
森永乳業に経緯を取材しました
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森永乳業に経緯を取材しました
1984年から販売されているロングセラー飲料「リプトン ミルクティー」。昨年3月にリニューアルされて「リプトン ロイヤルミルクティー」となりましたが、わずか1年で元の味に戻すことになりました。森永乳業に経緯を取材しました。
1984年に200mlの紙パックでレモンティーとともに発売を開始した「リプトン ミルクティー」。
その後、中容量(約500ml)や大容量(約1000ml)もラインナップに加わり、中身やパッケージデザインを変更しながら30年以上販売されてきました。
10代の学生にも根強い人気がありますが、主な購買層は20~50代。
学生時代に愛飲していたことがきっかけで、卒業してからも継続して購入する人が多いそうです。
そんなロングセラーのリニューアルを実施したきっかけは、近年の紙パックシリーズ市場の動向でした。
「牛乳を除く紙パック全体の市場には、学生数の減少に比例して市場規模も縮小する動きがあります。2020年からは新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化によって、通勤・通学や部活動の減少も大きな影響がありました」
そう話すのは、森永乳業の担当者です。
選ばれ続けるためにはさらなる期待を感じてもらえるリニューアルが必要だと考え、昨年3月に「リプトン ロイヤルミルクティー」にリニューアル。
従来品のおいしさを生かしながら、より豊かな紅茶の香りとミルク感を楽しめる風味に。
事前の試飲調査なども行って慎重に判断したこともあって、発売直後は前年を上回る売り上げで推移していたそうです。
一方で「従来品を復活させてほしい」という要望が継続的に寄せられ、半年間で667件にのぼりました。
「他のじゃダメなんです」
「生きる希望がなくなってしまいました。毎日眠れません」
「私のミルクティー人生は終わった」
「この悲しみをどこにつぶけたらいいのかわからない」
「再販されないようでしたら返信は不要です」
終売品に対してここまで多くの問い合わせは過去に例がなく、元の味に戻すことを検討。
リニューアルから約1年後の今年3月21日、「旧発売」として「リプトン ミルクティー」が復活しました。
復活のプロモーションにあたって、667件の問い合わせを生かした短編アニメ「667通のラブレター」を制作。
登場する人物の名前やセリフ、主題歌の歌詞に至るまで、寄せられたメッセージを元に構成しています。
「お寄せいただいた667件を読み進めるにつれて、お問い合わせの声が愛の言葉を綴ったラブレターのように思い、青春を感じさせるアニメーションが良いのではないかと考えました」
映像内に登場する街の看板や本のタイトル、Tシャツなど細かな点にも、できるだけ違和感のないようにメッセージを忍ばせているといいます。
公開直後からネット上でも話題になり、「改めて多くの方から愛されている商品であることを再認識いたしました」とのこと。
お客さま相談室にも復活に対する喜びや感謝の声が寄せられているそうです。
「ご愛飲いただいていた方に改めてお楽しみいただくとともに、今回の復活をきっかけに、これまで飲んだことのない方にもぜひお試しいただけたら幸いです」
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