連載
#30 特別じゃない日
今日も待っている家族のもとへ いとおしい「ただいま!」の風景
「特別じゃない日」をテーマにした単行本が発売された漫画家・稲空穂さん。ツイッターで発表して注目を集めた漫画「ただいま!」に込めた思いを聞きました。
テストで100点を取ってうれしそうに家に帰ってくる小学生。
飼い猫へのお土産を買って帰った女性。
玄関で汚れた服装を大急ぎで脱ぎ捨て、顔と手を洗って赤ちゃんにほおずりする男性…。
お家ではさまざまな「ただいま!」の笑顔があふれます。
この作品は、「特別じゃない日」をSNSに投稿し始めてすぐの頃に描いたものです。
家族の「日常」を描こうと考えたとき、すぐに思い浮かんだのが「ただいま」の情景でした。
毎日言っているけれど、言う側と言われる側、両方がいないと成り立たない。「ただいま」は、大切でうれしい言葉だと思います。
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〈稲空穂=いな・そらほ〉 静岡県出身・在住の漫画家。会社員を経て2017年に「おとぎ話バトルロワイヤル」(KADOKAWA)でデビューし、「特別じゃない日」で日常をテーマにした作品に挑戦中。老夫婦や女子高校生、主婦、バイトの青年……それぞれの小さな幸せがつながっていく物語を描いていて、実業之日本社から第1集が書籍化され、7月に第2集「特別じゃない日 猫とご近所さん」が発売された。Twitterアカウントは@ina_nanana
withnewsでは原則隔週水曜日に、稲さんの漫画とともに作品に込めたメッセージについてのコラムを配信しています。
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