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「食べてしまいそう」9歳が作る木彫りの〝チキン〟!師匠も大絶賛

初の「2人展」で感じた成長とは……

小学3年のいっちゃんが作った木彫りのチキンと骨。ファミリーレストラン「サイゼリヤ」の「辛味チキン」を作りました。※お皿は本物です
小学3年のいっちゃんが作った木彫りのチキンと骨。ファミリーレストラン「サイゼリヤ」の「辛味チキン」を作りました。※お皿は本物です

目次

「そっくり~!」「食べてしまいそうやな」ーー。SNSに木彫り作品を投稿している木彫りアーティスト・キボリノコンノさん(34)と小学3年生の〝弟子〟いっちゃん(9)の2人展が、大阪の画材店で開かれています。SNSで話題になったコンノさんの木彫り作品「ヨックモックのシガール」や、いっちゃんの新作「サイゼリヤの辛味チキン」も展示され、多くの人が驚きの言葉を口にしていました。

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触れることもできる展示

「観察力がすごいですね」(来場者)
「普段から食べ物が好きなんですよ(笑)」(キボリノコンノさん)

「骨を見ながら作ったの?」(来場者)
「40個入りの辛味チキンを買って食べて骨を見ました」(いっちゃん)

「いっちゃんとキボリノコンノ展 in osaka」初日の2月18日、カワチ画材心斎橋店(大阪市中央区)のギャラリースペース。キボリノコンノさん(@kibori_no_konno:以下コンノさん)と、SNSがきっかけで出会った弟子・いっちゃんが、展示を見に来た人たちと作品について話していました。

幅約4mのスペースに、コンノさんは「シガール」やたい焼き、生卵など計25作品、いっちゃんは「バターしみしみパン」や「ちょっとやきすぎちゃったアジ」(アジの開き)、「KI01 辛味チ木ン」(辛味チキン)、紙で作ったドレスの計4作品を展示しています。一部の作品は触れることもできました。

コンノさんが作った木彫りのたい焼き
コンノさんが作った木彫りのたい焼き
【関連記事】これが木彫り!? 8歳が作った「アジの開き」、師匠もうなる完成度

来場者の多くは、SNSでコンノさんの作品を見ていた人たちです。

木彫りのたい焼きを見たときからファンという大阪市の女性(50代)は「実際に見て改めて、コンノさんの木への愛情を感じました」。一緒に来た中学1年生の娘(13)は「見たり触ったりすると木の触感、質感ですが、重さがリアルなものもありました」と話します。

「いっちゃんとキボリノコンノ展 in osaka」。手前がいっちゃん作の紙のドレスです
「いっちゃんとキボリノコンノ展 in osaka」。手前がいっちゃん作の紙のドレスです

木の質感を残して作った骨

今回はコンノさんと弟子との初めての2人展。いっちゃんにとっては人生初、自分の名前がついた展示会です。

小学生の小さなアーティストに、「いっちゃん、作品見に来たよー!」「いっちゃん、おめでとうございます」と多くの人が声をかけていました。

いっちゃんがこの日に向けて作った新作「KI01 辛味チ木ン」は、師匠・コンノさんにもらった木材や電動工具で作りました。制作時間は単体の骨も含め全部で80時間。休日や学校から帰ったあとに少しずつ作ったそうです。

難しかったのは、チキンに埋まっている骨の表現や色づけでした。初めてニスを塗りましたが、「油まみれの辛味チキンになってしまいました」といっちゃん。イメージ通りにいかないところにも、木彫りのおもしろさを感じました。

チキンに埋まっている骨も見事に表現しています
チキンに埋まっている骨も見事に表現しています

「木の模様が大好き」なため、素材を生かすように意識もしています。「木っぽさを残しながら骨っぽさを出しました。色を塗ってから少しやすりをかけて、色をぼかしてみました」と説明してくれました。

師匠・コンノさんも、いっちゃんの新作には「お手上げです」と大絶賛します。

コンノさんのツイートで2人展を知ったさいたま市の女性(56)は、ちょうど大阪で用事があり、展示を見に来ました。「こんなに小さな子が作ったんですね。アジの開きはジューシーさがありますし、パンはいい焦げ感で本当においしそうです」と話し、いっちゃんと握手していました。

展示会に来た人と握手をするいっちゃんとコンノさん(左)
展示会に来た人と握手をするいっちゃんとコンノさん(左)

ギャラリー担当に提案して実現

2人展の開催が決まったのは、2022年9月のこと。カワチ画材のギャラリーを担当する水口靖一郎さんがコンノさんに展示会の開催を打診した際、コンノさんが「いっちゃんと一緒の展示はどうですか?」と提案したそうです。

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コンノさんといっちゃんは、出会ったときから「いつか一緒に作品展ができるといいね」と話していました。

いつもは母親が作品をSNSに投稿し、その反響を見ているいっちゃん。コンノさんは「作品を見にきたお客さんと直接ふれ合う機会をつくり、対話を通じて新たな発見があれば」と期待していたそうです。

カワチ画材の水口さんは、「2人展の提案は大歓迎でした」と振り返ります。

「大人だから、子どもだから、フォロワーが多いから、話題がある人だからではなく、作品がすばらしいのが一番です。いっちゃんが今後、作品を作っていく中で、今回の展示会がいいきっかけになればと思っています」

壁には制作過程の写真も飾られていました
壁には制作過程の写真も飾られていました

短時間で師匠が感じた〝成長〟

初めての2人展で、直接来場者と交流できたいっちゃん。最初は緊張気味だったものの、徐々に場の雰囲気に慣れたそうです。「たくさんの人が作品を見てくれて、『これって木で彫ったの? すごいね』『本物と間違えちゃう』と褒めてもらえました」

これまでも、SNSで作品を褒められたことはありました。しかし、「文字だけでは年齢が分からないけど、実際に声をかけられていろんな年齢層の人に伝わっているんだなと思いました」と話します。

師匠のコンノさんは、リアルな展示会がいっちゃんのさらなる創作意欲につながったと手応えを感じています。「『実物はもうちょっと木なのかなと思ったら、しっかり本物だった』と言ってくださった方がいて、いっちゃんもうれしそうにしていました」

「いっちゃんはみなさんに作品の説明をすることで、まとまっていなかった考えがまとまってきているようでした。この経験も成長につながるんだろうなと思いますし、展示会をやってよかったです」

「バターしみしみパン」を持ついっちゃん(左)と、生卵を持つキボリノコンノさん
「バターしみしみパン」を持ついっちゃん(左)と、生卵を持つキボリノコンノさん
「いっちゃんとキボリノコンノ展 in osaka」は、3月2日まで開かれています。
https://do-art.jp/kiborinokonno/

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