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「先生、私も大人になったけど…」入学式で心を軽くしてくれた言葉
「ダサイ、くらい、なんも思わん!」
クラスになじめるかな、友達できるかな……。入学式は不安と期待が入り交じります。そんな気持ちをときほぐしてくれた先生のエピソードが、ツイッターで反響を呼びました。中学校の熱血教師が伝えた「心をラクにするためのコツ」とは。
話題になったのは、中学校入学式でのことがまとめられたマンガです。作者・キリさん(@kiriillust)が実体験をもとに描きました。
いまも忘れられない、入学式での熱血教師の話
— キリ@月曜に犬のマンガUPする人 (@kiriillust) April 12, 2022
(1/2) pic.twitter.com/M2aLkH4N2y
「ヤダな〜」
「友だちできるのかなぁ」
「いじめられたらどうしよう…」
「小学校はキツかったし中学(ココ)だってロクなもんじゃないに決まってる」
体育館で座りながら、不安で気持ちが沈んでいたキリさん。
そんなとき、生活指導の教師が壇上に上がり「キミたち小学校生活はどうだった?!」と問いかけました。
「クラスメイトのこと、ダサイ、キモイ、あざとい…」
「そんな風に言ったり言われたりしたと思う!」
「……きつかったなぁ…おつかれさん!」
先生は続けます。
「だが、キミたちは中学(ココ)でもその気もちと戦わなければいけない!!」
「まだそーゆー気もちに悩まされる歳だ!!」
熱血的なメッセージに、圧倒される生徒たち。
先生は胸を張ります。
「オレぐらい大人になると!そんな気もちはいっさいわかないっ」
そして、「大人になるまでの間、少しでも心をラクにする」コツを教えてくれました。
それは、学校で嫌なことがあった時は、クラスメイトのことを「マンガのキャラクターだと思え」というもの。
マンガの最後、キリさんはこうまとめました。
「先生、私も大人になったけど、あの心のもち方は今に生きてます!」
ツイートには、「ホントいい先生だなぁ」「こういう先生がいて欲しかった…」といった反応が寄せられ、いいねは15万を超えています。
マンガを見て自身の子ども時代を思い出す人のほか、我が子に伝えようというコメントもありました。
子どものころから絵を描くことやマンガを読むことが大好きだったキリさん。
ですが、小学5、6年生のころは「きつかった」と振り返ります。
「マンガやアニメが『ダサいもの』として変化していて、少しマンガの話でもすればクラスの子に目をつけられてしまいます。絵やマンガが好きなことを隠してコソコソ過ごしていました」
「教室の隅で絵を描いて過ごしたいタイプ」の子どもだったキリさんにとって、熱血教師は「怖い」イメージがありました。しかし、中学で出会ったこの先生のおかげで印象が変わったそうです。
マンガで描いた「熱血教師」はキリさんの担任。入学式では「心をラクにする」コツを伝えるだけでなく、「困ったらオレに言えよ」とフォローも忘れませんでした。
「廊下をのしのし歩きながら生徒によく声をかけてくださる方で、言葉そのものより、この行動によって、『困ったら助けてくれそうな大人』という意識を持たせてくれました」とキリさん。
「当時は気づかなかったけど、意識的にされていたのだと思います。とてもありがたかったです」
マンガでは厳しい表情で描かれていますが、笑顔も多かったという先生。
キリさんは「常に熱い方でしたので、先生が教室にいらっしゃると雰囲気が明るかったです」と振り返ります。
このエピソードは、20年ほど前の経験です。
しかし、新しく学校生活が始まる不安に時代は関係ありません。
キリさんは、体験をマンガで発信したことについてこう話しました。
「当時気持ちが楽になったので、私のようにこういう言葉がほしかった子がもしかして今もいるんじゃないかな? マンガにしたら届かないかな? という願いで描きました」
「悩まされる歳」の小中学生へ向けて伝えたいことを聞くと、「これは難しいので、過去の私へのメッセージとさせてください」とコメントを寄せてくれました。
「小中学生の私へ
大人になったら楽しく過ごせるようになるので、それまでがんばれ!」
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