連載
#17 猫と警備員、ほっこり攻防の日々
猫と警備員、侵入した先には「旧友」がいた 馬屋原さん不在時の攻防
侵入を試みたケンちゃんが向かった先は「旧友」のパネルでした
美術館に入ろうとする猫と、防ごうとする警備員のやりとりで話題になる尾道市立美術館(広島県)。侵入を試みた黒猫が向かった先は、懐かしい「旧友」のパネルでした。
近くのレストランで飼われている黒猫ケンちゃんが、最初に注目を集めたのは2017年3月。
開催中だった「猫まみれ展」の会場に入ろうとして、警備員・馬屋原定雄さんに阻止される様子がツイッターで紹介されたのがきっかけでした。
その後も「猫と警備員の攻防」としてたびたび話題になっていますが、侵入を試みるのは警備員が馬屋原さんの時がほとんど。
馬屋原さんが来るのは特別展の時だけなので、そのたびに美術館職員は攻防戦を期待してカメラを構えています。
『閉館後🙎♀️🐈⬛after closing』(20220116) 🎨(企画展最終日)各展示室を閉め、最後に正面玄関の施錠の確認に行くと。。 #尾道市立美術館 #尾道 #猫 #cat pic.twitter.com/MOPAL6xW9t
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) January 17, 2022
来春の特別展まで馬屋原さんは不在ですが、今月16日にケンちゃんが美術館にやって来ました。
正面玄関に現れたのが、午後4時40分ごろ。
来館者がいなかったため、職員たちが展示室の扉を閉めて戸締まりを始めたところでした。
展示室に入る心配がなかったため、ケンちゃんとのふれあいを撮影することに。
職員が玄関を手動で開けると、さらに中に入ろうとして攻防戦になりました。
隙を突いてスッと入り込んだケンちゃんが向かった先は、記念撮影用に設置されたパネル。
職員のイラストをもとに制作したもので、描かれているのはケンちゃんと「ゴッちゃん」でした。
『ゴッちゃんのそば😸🐈⬛ by Go-chan side』(20220116) 🎨(続き)スタッフを突破し、すぐ先の記念撮影コーナーへ! #尾道市立美術館 #尾道 #猫 #cat pic.twitter.com/cqTXgQTwsZ
— 尾道市立美術館 (@bijutsu1) January 17, 2022
ゴッちゃんは、かつて美術館周辺にいた茶トラの地域猫。
ケンちゃん同様、馬屋原さんの隙をうかがって美術館に入ろうとした猫でした。
当初は顔を合わせると威嚇するようなしぐさを見せていた2匹でしたが、美術館周辺のテリトリーをすみ分けて交流するように。
名物コンビとしてニュースにも取り上げられましたが、2019年5月に新たな飼い主に引き取られていきました。
最後の日には、別れを惜しむかのようにケンちゃんが寄ってきて、顔を近づけている様子が撮影されています。
◇
そんな旧友のパネルと知ってか、知らずか、この日ケンちゃんが座り込んだのはゴッちゃんのパネルの裏。
自分のパネルには見向きもせず、じっとしていたそうです。
撮影していた職員は、こう推測します。
「パネルは9月からずっと設置しているので、ケンちゃんも外から見えていたんでしょう。馬屋原さんがいない時に、いつかゴッちゃんのとこに行こうと狙ってたのかもしれませんね」
5分ほど座り込んでいたというケンちゃん。
最後は職員に抱えられて玄関に戻されましたが、マットに爪を立てて抵抗していたそうです。
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