ネットの話題
奈良に「とまれ!」なポスター 観光客の宿泊が少ない現状を変えたい
観光客は来てくれるけれど、宿泊が少ない現状を変えたい。
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観光客は来てくれるけれど、宿泊が少ない現状を変えたい。
観光客は来てくれるけれど、宿泊が少ない現状を変えたい――。そんな思いで作られた奈良市観光協会のポスターが、ネット上で注目を集めています。5年前に制作してからたびたび話題になっている1枚について取材しました。
話題になっているのは、奈良市観光協会が2016年度に制作したポスターです。
3頭のシカが写っていて、まるでビートルズの「アビイ・ロード」のジャケット写真のように横断歩道を渡っています。
道路には停止線があり、そこに書かれているのは「止まれ」ではなく「泊まれ」の文字。
ダジャレを使った命令口調で、奈良での宿泊を呼びかけています。
今月に入ってツイッターで紹介されると、「ド直球」「泊まらないと鹿に叱られる」といったコメントが寄せられ話題に。
「奈良の魅力を書くよりも、ストレートに『泊まってください』というメッセージを打ち出した方がいいのではないかということで、あのようなポスターになりました」
そう話すのは、奈良市観光協会広報企画課の係長・胎中謙吾さんです。
注目を集めたのは今回が初めてではなく、2019年にもツイッター上で拡散。
「1回で終わりかと思っていたので、またバズるのかとビックリしました」と話します。
市が公開している調査報告書によると、コロナの影響がなかった2019年の観光入込客数は約1702万人。
そのうち約1529万人が日帰りだったため、宿泊客は全体の1割ほどにとどまりました。
残念ながらポスターを作って以降、宿泊客数が上向いたということはないようですが、話題になったことで認知度がアップ。
テレビや雑誌の取材も入り、「このポスターはどこで見ることができますか」「うちにも貼りたい」といった問い合わせが増えて、増刷したそうです。
コロナ禍を経て再び話題になったことについては、こう話します。
「奈良の夜は静かで、ゆっくり過ごすには最適です。お店の混雑状況がわかるシステムを導入するなど、安心して来ていただけるように取り組んでいますので、ぜひ奈良市内に泊まってください」
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