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なぜ私?「#わざとぶつかる人」に悲しみと怒り SNSで相次ぐ体験談

駅の改札やホームなどで、見知らぬ人が意図的にぶつかってきたという投稿がSNS上で絶えません。被害に遭った女性に話を聞きました(写真はイメージです)
駅の改札やホームなどで、見知らぬ人が意図的にぶつかってきたという投稿がSNS上で絶えません。被害に遭った女性に話を聞きました(写真はイメージです) 出典: PIXTA

目次

「思いっきり体当たりされた」「すれ違いざまにわざと突進された」――。駅の改札やホームなどで、見知らぬ人が意図的にぶつかってきたという投稿がSNS上で絶えません。

「#わざとぶつかる人」というハッシュタグのほか、ぶつかったのが男性という報告も多いことから「#ぶつかりおじさん」というタグも。被害に遭ったと話す自営業の女性(34)は「悲しみと怒りが渦巻いた」と言います。

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被害遭わぬよう、気をつけたのに

都内に住む女性が被害に遭ったというのは、今年3月の土曜日。正午ごろでした。その日は仕事が休み。知人に会うため、東京都世田谷区内の駅を利用していました。

都心に向かう電車が発着するホームに向かって階段を下りていた際、目の前から女性に向かって男性が歩いてくるのが見えたそうです。

白髪の短髪。「50代くらいに見えた」と女性は話します。ウィンドブレーカーのようなものを羽織っていたと記憶しています。

「#わざとぶつかる人」の報告をSNS上で目にしたばかり。女性は身構えていました。「被害に遭わないよう気をつけていました」

お互いに、スマートフォンなどを操作する「ながら歩き」ではありませんでした。周囲にあまり人はいなかったそうです。

とっさの衝撃「偶然とは感じなかった」

それでも、「すれ違いざま、『男性と少し距離が近いな』と思ったその時でした」

女性の右手首に殴られたような衝撃が走ります。「偶然、ぶつかってしまったというような感じではありませんでした。故意に拳のような固いものを勢いよくぶつけられた感触でした」

女性はとっさのことで驚きました。振り返ると、階段を上っていく男性の後ろ姿がありました。

「声をかけようと思いました。ただ、何かをされたら怖いと思い言い出せませんでした」

女性は心の整理がついていませんでしたが、知人との待ち合わせ先に向かうため、電車に乗りました。ジンジンとした腕の痛みは半日ほど引きませんでした。

「『なんで私が、ぶつかられるのか』という悲しさと、ぶつかってきた男性に対する怒りがわいてきました」

SNSで相次ぐ体験談

「#わざとぶつかる人」「#ぶつかりおじさん」といった投稿はやみません。ただ、そうした投稿に「自意識過剰」「そんな人いるの?」という反応もあります。「都市伝説」のように語られてきました。

しかし、3年ほど前には新宿駅で女性に次々とぶつかる男の動画が拡散。昨年には、蒲田駅の駅ビルで女性に体当たりしたとして、男が暴行の疑いで警視庁に逮捕されるなどしました。

被害者は女性に限らないでしょうし、動機もさまざまと思います。しかし、体格などが強い立場を利用して、より弱いとみた人を傷つけるという構図が、たくさんのケースで当てはまるのではないかと思います。そうした場合、女性が被害者になりやすいことも想像できます。

暴行や痴漢は犯罪ですし、被害者の心理的なダメージも深刻です。実態を引き続き可視化することも、抑止の一つと考えます。

     ◇

「#わざとぶつかる人」「#ぶつかりおじさん」について、ご意見や体験談を募集します。ご連絡を明記の上、dkh@asahi.comへお寄せください。

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