連載
#3 MAXコラム
「もっと、ずる賢くていい」MAXのLINA、コロナ禍での気づき
ライブや新曲のリリースすべて白紙…「今できること」
沖縄出身のダンスボーカルグループMAX。1995年にデビューしてから今年で25周年を迎えました。10代だった「スーパー・モンキーズ」時代から音楽業界が様変わりした今、第一線で走ってきた4人は何を思うのでしょうか?仕事や子育て、自分自身の活動など、それぞれが切り開いた道について語る「MAXコラム」。今回はLINAさんが「コロナ禍での仕事の仕方」についてつづります。
こんにちは、MAXのLINAです。
私たちMAXは、早いもので、今年、デビュー25周年を迎えました。
日頃から応援してくださる皆さんには感謝の思いでいっぱいです。
メンバーとは、デビュー前の下積み時代を入れたら30年近くの付き合いになります。
人生の成長過程の中で、初めて経験した出来事にはいつもメンバーがいました。
色んなジャンルの仕事をこなし、沢山の感情が揺さぶられ、共に成長出来たことは私の財産になっています。
今では言葉を発さなくても、意思疎通が出来るほどの関係性が出来上がってます(笑)
そんな私たちですが、昨年からこの25周年に向けて、ライブを計画したり、CDリリースの準備をしたりなどなど、とにかく、このセレブレイトな年を皆さんと共有できることを楽しみにしてきました。
それなのに、今年はまさかの事態に……。世界中が驚きと不安に襲われましたね。
そうです、新型コロナウイルスです。私たちの生活は一変してしまいました。
これまで練り上げてきた計画も白紙になり、働き方もずいぶん変わりました。
最初の頃は、すぐに元の生活に戻るだろうと深刻に感じていなかったものの、緊急事態発生の中で出された外出禁止令。
家の中から眺める誰もいない外の光景に、何だか怖さを感じました。
そんな中、「おうち時間」という言葉が生まれました。今までとは違った自宅での過ごし方に、一人ひとりがアイディアを出し合い、お互いに元気づけようと前を向き始めたのも、この言葉のお陰だったと思います。
こんなにも、何も計画がない長期のお休みを味わったのも、時間というものに対して試行錯誤をしながら過ごしたのも初めてかもしれません。
くよくよ悩んでも仕方がない、今だからこそ出来ることをやろう!
いつこの事態から抜け出せるか分からないけど、私も「おうち時間」を前向きに捉え、興味があったものに手を出してみました。
今、流行りのTik Tokを始めたり、お菓子作りに挑戦したり、趣味である編み物でいくつもの作品を作ったりしました。
これは、のちにMAXのファンクラブサイトで販売することにもなり、仕事にも繋がりました。
時間は、すべての人に平等にあるものだけど、使い方によって、ただただ過ぎていくだけにもなるし、実りあるものにもなります。「時間の価値観」に気づかされた機会にもなりました。
未だに、気が抜けない状況ではありますが、私たちも試行錯誤しながら、動画配信など新しい発信方法にチャレンジしながら仕事に取り組んでます。
なかなか、思うようにライブ活動が出来ない状況で、最近は生配信ライブの開催を無事終えました。これで、ようやく25周年の一歩を踏み出すことができ、明るい気持ちになれました。
状況が変わらなくても、何か目標が出来ると、無駄なことを考えずに、気持ちに活気が溢れて楽しくなれるもんです。
悩みがある時って、今すぐ答えが出ないときもあるのに、無駄に考えて、更に自分を苦しめて、悪循環な時間を過ごすときも、たくさんありました。
でも、私なりに色々経験していくと、時には悩みなんて知らんぷりするのもいいんじゃないかと思えるようにもなりました。
悩みを知らんぷりするって、一見、自分自身と向き合うことをせず、「現実から逃げている」と思われるかもしれません。でも私はそれですごく気持ちが楽になりましたよ。
だって、今すぐ解決出来ない悩みには、日々訪れる小さな努力の積み重ねが必要だし
悩みすぎて、自分を見失うくらいならサボったっていいし、休んだっていいと思う。
私も、意外と色んなことを真面目に考えちゃうタイプだから、自分自身にも言い聞かせながら(笑)
「もっと、いい意味でずる賢くていいんだなぁ」とか思うようにしています。
これからも、家族や友人と支え合いながら、人生の色んな変化を楽しみ、今を頑張れば未来に繋がると信じています。
◇
〈MAX〉NANA/LINA/MINA/REINAの沖縄県出身4人組ダンスボーカルグループ。1995年にデビュー。翌年発売のサードシングル『TORA TORA TORA』でブレイク。1997年に『Give me a Shake』でオリコン初登場1位を獲得。その後も『Ride on time』など数々のヒット曲を発表し、紅白歌合戦に5年連続5回出場。近年は音楽活動の他に、個人でのバラエティ、ドラマ、舞台出演など活動の幅を広げている。12/9にセルフカバー配信シングル「一緒に・・・(Happiness2020)」をリリース。
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