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ネットの話題

まさかの手動販売機「そろそろお釣りでますよ」接触せずに心温まる

お餅お菓子店の夫婦が10日かけて自作した「販売機」

話題となっている「omochi bar」の「販売機」
話題となっている「omochi bar」の「販売機」 出典: おもちくらぶクリエイトのインスタグラム

目次

自動販売機かと思ったら、手動でした! お餅のお菓子を販売する店が、店頭に設置した手作り感あふれる「販売機」がツイッターで話題になっています。新型コロナウイルスの影響を受ける中で、販路拡大の種として、またお客さんとできる限り接触しない方法を両立した画期的なアイディアに「めちゃくちゃいい」「食べたい」などの反響が集まっています。制作した菓子店「おもちくらぶクリエイト」(東京都杉並区)に聞きました。
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かわいいけど、まさかの「手動販売機?」

話題のきっかけとなったのは、FJKさん(@debiruneko)がツイッターに投稿した写真です。カラフルなお餅のお菓子がボタンで選べるようで、パッと見は自動販売機なのですが、FJKさんの投稿によると「自販機スタイルになってる!と思ったら後ろでオジちゃんが全部手動でやってくれて可愛すぎ」。なんとまさかの「全手動」でした。

withnewsの取材にFJKさんは、投稿したお店は「おじちゃんとおばちゃんがかわいいなと思ってよく行くお店」だといいます。当初は自動販売機を見て、スタイルの変化に少し寂しく思ったそうです。しかしそれもつかの間、自販機の後ろから聞こえる「いらっしゃいませ~」「ボタン押してね~」の声。「おじちゃんがせっせと用意してくれるのが、以前にも劣らぬ微笑ましさでした」

「新型コロナウイルスの対策の云々というより、ただただ微笑ましく幸せな気持ちになった」と振り返ります。
「自販機」だ!!!
「自販機」だ!!! 出典:FJKさんのツイートより
投稿には「めっちゃかわいい」「手動販売機?」「素敵なアイディア」とリプライが寄せられたほか、5万回以上リツイートされ、26万件以上の「いいね」が集まっています。

なぜこの「販売機」は生まれたのでしょうか。設置している「おもちくらぶクリエイト」に聞きました。

得意先が休業、販路拡大と非接触を両立

「おもちくらぶクリエイト」は国内産の水稲餅米を使った餅菓子のお店です。山正製菓が運営し、代表取締役・山本哲生さんと妻の2人で切り盛りしています。

話題の「販売機」で売られているのは、お店の看板商品「omochi bar(おもちばぁ)」。アイスキャンディのような見た目でほんのり甘く、冷やしてもやわらかいのが特徴です。
おもちくらぶクリエイトの「omochi bar(おもちばぁ)」
おもちくらぶクリエイトの「omochi bar(おもちばぁ)」 出典:「おもちくらぶクリエイト」オンラインショップより
山本さんは「和菓子系の商品は、冬によくお買い求めいただきますが、夏は低調になりがちです。年間を通して、また夏でも冷やして食べていただけるよう、アイスキャンディーの形の商品をつくりました」と話します。

季節によって12~15種類販売されており、定番のよもぎやきなこ、人気のいちごなど、カラフルな品揃えが目にも鮮やかです。
色鮮やかな「omochi bar」
色鮮やかな「omochi bar」 出典:おもちくらぶクリエイトのインスタグラム
そんな「omochi bar」の「販売機」をつくったのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響がありました。

「先日の緊急事態宣言を受けて、百貨店など商品を卸す得意先がほぼほぼ休業しています。そういった売上がメインだったうちにとっては死活問題。そこで、自販機を各地に設置して販売したらどうか、と思ったのがきっかけでした」

また、店舗に買いに来たお客さんの中にも、人との接触に敏感になっている人もいたそうで、「気軽にお買い物ができるなら」という思いもあったといいます。
自販機のイメージ画
自販機のイメージ画 出典:おもちくらぶクリエイトのインスタグラム

手動なので「お釣りの計算はちょっとだけお時間いただく」

山本さんは「手作りが好きなので」といい、「販売機」の材料は近所の100円均一で購入。組み立て式の棚に発泡スチロールを貼り付け、「omochi bar」のサンプルも紙粘土でつくりました。妻と2人で仕事の合間に作業し、10日ほどで完成したといいます。
完成した「販売機」
完成した「販売機」 出典:おもちくらぶクリエイトのインスタグラム
「電気も使っていないので、販売機というか、販売台という感じなのですが……」。ボタンを押すと、「販売機」の裏から山本さんが商品を取り出し口に入れ、お客さんに合計金額を入れてもらう後払い方式です。現金のほか、PayPayでも支払うことができます。

「現金の場合は、お釣りをこちらで計算して返却口に入れるので、自動販売機よりはちょっとだけお時間いただくと思います」と山本さん。「そろそろお釣りでますよ」「はいどうぞ」など、裏からお客さんに話しかけつつ「接客」しているそうで、「これもまた、ひとつのコミュニケーションツールだと思っています。昔ながらのたばこ屋さんのような雰囲気ですね」。おもちゃっぽい見た目と、操作できる面白さから親子連れにも人気だといいます。
サンプルもかわいらしい
サンプルもかわいらしい 出典:おもちくらぶクリエイトのインスタグラム
「今営業に困っているお店でも、こういった自販機式であれば、接客で接触する必要もなく、なおかつ目も引きやすいです。こういったやり方もできるんじゃないかという提案にもなれば」という山本さん。「本当に今後は自販機でも販売したいと思っているので、興味がある方がいれば一緒に広めていきたい」と話します。

実はこの「販売機」は、「おもちくらぶクリエイト」のオンラインショップでも、「omochi bar」と並んで販売されています。「omochi bar」専用、かつ「限定品」としてお値段は35万円とお高めですが、「自動販売機形式」に興味を持ってもらえればという思いも込められています。
出典:「おもちくらぶクリエイト」オンラインショップより

「他のどこにもないものを」の思いで生まれた商品

もともと徳島で父が経営していた和菓子の会社を、10年ほど前に引き継いだ山本さん。「他のどこにもないものを、楽しいものを真面目にやりたい」という思いで、これまでの餅菓子のイメージとは異なる「omochi bar」を開発しました。

土地勘もない中で、ネットで物件を探し、3年ほど前に夫婦で上京。東京都杉並区に「おもちくらぶクリエイト」を開店し、今では月に1万本も製造することもあるそうです。商品について「この世にひとつしかないもの、比較するものがないからこそ、自信がある」と語ります。そんなマインドからも、画期的な「自販機」も生まれました。
出典:「おもちくらぶクリエイト」ホームページより
ツイッターで話題になったことで、一時はサーバーが落ちるほどだったそう。山本さんは「たくさんの注文をいただいていて本当にありがたい」と話しています。

     ◇

カラフルな見た目で選ぶのも楽しい「omochi bar」は、「おもちくらぶクリエイト」のオンラインショップ(https://www.omochiclub-create.com/shop/products/list.php)でも購入することができます。

販売機の利用方法はインスタグラムでも発信中

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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