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「家、ついて行ってイイですか?」まさかの撮影マニュアル公開 なぜ?
新型コロナウイルスの感染拡大は、テレビ各局とも無縁ではありません。無観客収録や「リモート出演」などの対策をとる一方で、ロケやスタジオ収録を中断する番組も出ています。従来の番組制作が困難になるなか、テレビ東京系の人気番組「家、ついて行ってイイですか?」は、8日の放送後に「番組の作り方」を公開しました。「家族で家にいる間の楽しみとして遊んでもらって、うまく映像が撮れたら番組に送ってもらえれば」。前代未聞とも言える番組の「秘伝のたれ」をオープンに。高橋弘樹プロデューサーに、その理由を聞きました。
高橋さんによると、マニュアルに書かれていることは、新しい撮影スタッフにも教える「基本の型」で、番組で培ったノウハウが詰まっています。「僕らの作り方をさらけ出しました。外出が制限されている中で、番組ごっこが家にいる楽しみになれば」
マニュアルの最後には、撮影・編集したデータの投稿も募っています。「面白い映像は番組で使用させていただくかもしれません。うまく撮影ができたり、家族の知らなかった一面を発見できたりしましたら、ぜひ送ってきてください」
終電を逃した人に「タクシー代をお支払いするので」と声をかけ、家までついて行けるかをその場で交渉する「家、ついて行ってイイですか?」。約70人の取材ディレクターなど、予算や時間の大部分を投じているロケが番組の根幹ですが、新型コロナが直撃しました。
「ロケは少人数で、感染防止対策も徹底していましたが、不特定多数の人に取材をすることには変わりありません。東京での感染者が大きく増え、夜間の外出自粛が強く要請されるようになった3月末には全ての新規ロケを停止しました」
8日の放送は、「訳あってOAしなかった1年前のお花見SP」と題し、これまで未公開だったVTRを放送。1年前に取材をした国立感染症研究所の元研究員など、「タイムリー」さもある人生ドラマの数々が流れました。
「これまで取材した多くの素材があるので、当面の番組は問題ありませんが、新規のロケができないので、新たなチャレンジはしなければならない。色んなことをやってみようという中で、マニュアルの公開を考えました」
高橋さんによると、こうしたマニュアルはこれまで、番組ごとに「隠されて」きました。「でも、色々な情報やデータがオープンになる時代で、作り方のノウハウも公開していいのではと思ったんです。僕らの蓄積してきたものを楽しんでもらって、生まれた映像を番組のコンテンツにつなげていく。今の時代だからこそ、価値のある挑戦かなと思っています」
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