ネットの話題
「努力か、才能か、いや体調だ」 飲料キャッチコピーの着眼点が秀逸
成功するために必要なものは「努力」? それとも「才能」? いや、まずは「体調」でしょ!
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成功するために必要なものは「努力」? それとも「才能」? いや、まずは「体調」でしょ!
成功するために必要なものは「努力」? それとも「才能」? いや、まず「体調」でしょ――。そんなキャッチコピーがネット上で注目を集めています。考案したコピーライターに話を聞きました。
昨年10月に大塚製薬が発売した「ボディメンテ ドリンク」(希望小売価格=税抜き154円)。
乳酸菌B240と、カラダの水分量を維持する電解質を組み合わせたドリンクで、ビジネスパーソンをはじめとした、日頃から体調管理を心がける人たちに向けた商品です。
話題になっているのは、この商品に関する電車の中吊り広告です。真ん中にあるボディメンテ ドリンクの画像を挟むようにして、こんなキャッチコピーが記されています。
「努力か、才能か、いや体調だ。」
この中吊り広告がツイッターで紹介されると、「まさに同じこと思ってました」「時代に合ったメッセージ」「こんな広告見たら買っちゃう」といったコメントが寄せられ、話題になっています。
「ただ『体調管理は大切です』という直接的なメッセージでは、聞き慣れすぎていて届かない。どうやったら、毎日がんばっている皆さんに、大きな共感と納得感で商品を手にとっていただけるかを考えました」
そう話すのは、電通CDC所属のCMプランナー・コピーライターの安達和英さんです。
持ち歩きやすく、通勤や打ち合わせなどで移動の多いビジネスパーソンが、ノドの渇きを潤しながら体調管理するのに適しているというボディメンテ ドリンク。
その特徴を伝えるための入り口にしたのが、「努力か、才能か」という二項対立でした。
漫画やドラマなどでたびたび描かれる、成功のために必要とされる「努力」と「才能」の対立。
「でも、本当にそうでしょうか。例えば、大事なときに体調を崩してしまい、自分の努力や才能を100%出しきれなかった経験、誰しもが一度や二度はあるのではないでしょうか。成功のために本当に必要なのは『体調』だと思うんです」と安達さん。
そこで、努力と才能の二項対立に、第三の刺客として「体調」が現れるコピー構造にしたそうです。
制作にあたって苦労した点については、こう振り返ります。
「このジャンルの商品は特に薬機法を守らなければならないため、広告で言えることが限られています。その限られた中で、いかに強く心に届くメッセージを開発するか、が一番難しかったです」
話題になったことについては、こう話します。
「率直に大変嬉しく思います。特に嬉しいのは、中吊りという電車に乗った人しか見られない媒体にもかかわらず、SNSを通してその場所にいない人にまで届いている点です。話題になることによって一人でも多くの方に商品を手にとっていただけたら、最高に嬉しいです」
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