ネットの話題
もしかして警察官? 運転手の心理に着目、ホンダ「まもってトート」
警察官を見かけると自然とブレーキを踏んでしまう。そんな心理に着目した「まもってトート」が話題です。
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警察官を見かけると自然とブレーキを踏んでしまう。そんな心理に着目した「まもってトート」が話題です。
車を運転していて警察官を見かけると、自然とブレーキを踏んでしまう。そんな心理に着目して本田技研工業(ホンダ)が企画した「まもってトート」がネット上で注目を集めています。交通事故から子どもの身を守りたいという思いで1000個を無償配布したバッグで、発案したのは来年小学1年生になる子どもがいる社員です。誕生までの経緯を取材しました。
今年9月に発表された、まもってトート。「肩にかけるおまわりさん」というキャッチフレーズの通り、クルマのライトが反射材に当たると、まるで警察官が着ているベストのように見えます。
ホンダ本社がある東京都港区の保育園や、Hondaウエルカムプラザ青山、特設サイトを通じて合計1000個を無償配布済みで、ホームページでは同様のバッグの作り方も公開しています。
発表から2カ月経った先日、ツイッターでこんなつぶやきが話題になりました。
「運転手が1番ビビるのは警官・パトカーやろ」つってホンダが作った子供用トートかわいい。「肩にかけるおまわりさん」というコンセプトもかわいい。
— Rei Hanada|広告プランナー&ドローンフォトグラファー (@0hana613) November 3, 2019
車メーカーが車のみならず歩行者側からも事故防止に努める流れもよき pic.twitter.com/gBfKbUq9jR
この投稿に対して、「販売してほしい」「大人がもっても全然いい」といったコメントが寄せられ、リツイートは2万3千、いいねは4万9千を超えています。
このバッグを企画したメイン担当者は、広報部の坂実沙子さん。来年小学1年生になる子どもがいます。
「歩行中の交通事故死傷者数のグラフを見た時に、年齢別で7歳(小学1年生)が突出して多いことに衝撃を受けたことがきっかけなんです」
道路を横断中の交通事故が目立ち、夕暮れが早くなる10月に増加する傾向があることから、対策を考えることにしました。
ホンダでは幼児やその保護者、小中高生など、年齢に合わせた交通安全教育プログラムを開発して、全国の四輪販売店や自治体、学校に提供しています。
「今回は小学1年生向けということで、情報発信だけではなかなか伝わりにくいだろうと、何かフックになるものを探すなかでトートにたどり着きました」と坂さん。
チームメンバーで話し合う中で出たアイデアが、「電柱とかに警察官のベストみたいに反射材が取り付けてあってドキッとしたことがある。それをトートに生かせないか」というものでした。
ドライバーが横断中の子どもたちに気づく仕組みにしながら、持って出かけたくなるような可愛くてかっこいいデザインに。習いごとの道具などが入るよう実用性も考慮したそうです。
保育園で配布した際には、「おまわりさんだ!」「習いごとに行くときに使ってみるね」といった声が寄せられたというトート。
予定していた1000個の配布終了後も、「ぜひ販売してほしい」といった声が多く寄せられ、商品化の検討もしているそうです。
話題になったことについて、坂さんはこう話します。
「話題になったことで『魔の7歳』に気づく方が増えて、お子さんやドライバーのみなさんの意識が高まればうれしいです。少しでも事故を減らせるよう、継続的な取り組みで機運を作れたらいいなと思っています」
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