連載
#14 どうぶつ同好会
昆布のダシ、なぜ海中で出ない? おたる水族館のクイズ展示が面白い
コンブが海でダシが出ないのはなぜでしょうか?
「コンブが海でダシが出ないのはなぜでしょうか?」。おたる水族館(北海道小樽市)に設置されたクイズ形式の展示が先日、ツイッター上で注目を集めました。設置の経緯を担当者に聞きました。
話題になったのは、北海道の生き物たちが暮らす水槽の前に設置されたクイズ形式の展示で、以下のように書かれています。
コンブが海でダシが出ないのはなぜでしょうか?
(1)実は出ている
(2)海水だから
(3)耐えている
この展示がツイッターで紹介されると、「これは確かになんでだろうってなりますね」「耐えているって表現の仕方で笑う」といったコメントが寄せられ、注目されました。
正解は「(3)耐えている」。展示の続きには理由がこう書かれています。
「意識して、耐えているわけではありませんが、コンブは自分の栄養が出て行かない様に、生命活動をしているのでダシが出ないのです。乾燥させたり熱湯に入れることで、コンブが死んで、細胞壁が壊れるとダシがでます」
館内には、コンブに限らず他の生き物も含めて40枚以上のクイズがあります。
昨年春ごろから始めたというこの取り組みについて、魚類飼育課の係長・高橋徹さんはこう説明します。
「解説を書くだけではなかなか読んでもらえません。子どもたちにも興味を持ってもらえるようクイズ形式にしました」
魚たちのクイズばかりかと思いきや、水槽の中にあるコンブについても紹介した理由とは?
「いろんな生き物がいて海が成り立っていることを知ってもらいたい、そんな思いで設置しています」と高橋さん。
「耐えている」という言葉は、伝わりやすい表現で、あまり面白おかしくならないよう検討した結果だといいます。
水槽内のコンブは秋になると枯れる可能性もあり、そのときはクイズを外すそうです。
話題になったことについては、「このクイズをきっかけに、いろんな生き物について興味を持っていただければうれしいです」と話していました。
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