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完璧を求めすぎないで…まず「小さな最強」を誇ろう 漫画作者に聞く

「完璧」の定義は自分の中にしかない。だから、あなたの「最小限の最強」を誇るところから始めませんか――。

漫画「完璧になりたい人へ」の一場面
漫画「完璧になりたい人へ」の一場面 出典: 夏ノ瀬いのさんのツイッター

目次

 「完璧」の定義は自分の中にしかない。だから、あなたの「小さな最強」を誇るところから始めませんか――。そんなメッセージが込められた漫画が、ツイッター上で注目を集めています。作者に話を聞きました。

漫画「完璧になりたい人へ」
漫画「完璧になりたい人へ」 出典: 夏ノ瀬いのさんのツイッター

完璧って何ですか?


 4月1日にツイッター投稿された4ページの漫画。「完璧」の定義について尋ねられる場面から始まります。

 「何においても欠点がない様」と答えた本人は、両手でたくさんの荷物を抱えています。

 仕事、つきあい、気づかい、成績、忍耐、真面目、努力……。そう書かれた荷物の重さに耐えきれず、落としてしまいます。

 すると、今度はこんな声が聞こえてきます。

 「完璧の定義は自分の中にしかない ゆえに高く積み上げる人ほど 崩れた時に自分を嫌いになりやすい」

漫画「完璧になりたい人へ」の一場面
漫画「完璧になりたい人へ」の一場面 出典: 夏ノ瀬いのさんのツイッター

「あなたの最小限の最強を誇りなさい」


 そして、アドバイスが続きます。

 「自分で安定して持てる量を持ってみなさい そうそう 少しでいいからね」

 そう言われて手に持ったのは「あいさつ」と「笑顔」の2つ。すると、また声が聞こえてきます。

 「『たったこれだけしかできない』じゃないですからね それはあなたにとっての『最強』なんです 荷物は少しずつ増やせます」

 最後は、こんな言葉で結ばれています。

 「今はまだ あなたの最小限の最強を誇りなさい」


作者に聞きました


 この漫画に対して、「こういうことを言葉や絵にしてくれるのが嬉しい」「最小限の最強って言葉すごく好きです」といったコメントが寄せられ、リツイートは9万、いいねは28万を超えています。

 描いたのは、Web漫画家の夏ノ瀬いのさん。

 専門学校を中退した自分に絶望し、追い詰められた体験をもとにした漫画『「もう頑張れない」って言ったって、君の価値は下がったりしない』(KADOKAWA)が発売されたばかりです。

 今回ツイッターで話題になった漫画に込めた思いについて、詳しく話を聞きました。

 ――この漫画を描こうと思ったきっかけは

 4月から新しい生活が始まり、いろいろ肩に力が入ってしまう時期ですので、そんな方たちに「そんなに気張らなくて大丈夫ですよ」というエールを送りたくて描きました。

 また、「完璧」という荷物を落として放心状態の人にも、なにか届けばいいなと思いました。


自分に言い聞かせています


 ――描きながら自身のことも思い浮かべたのでしょうか

 私自身、4月や新学期とかに関わらず「完璧でありたい」と常に思ってしまうたちでして。

 自信を持って「完璧だ!」と思えた瞬間は1ミリもないのに、備え付けられてる強迫観念のおかげで、なかなか治りません。ある意味、この漫画は自分に言い聞かせています。

 「完璧」という強迫観念を持ってる人を励ましたいはずなのに、どういう言い方をしても自分に返ってきて……。

 ブーメラン状態でどう表現するか悩みましたが、ブーメランのまま描きました。自分も変わっていきたいです。


時にはハードルを下げて


 ――作中に登場する「完璧」「最強」の定義は、普段から意識していますか

 そうですね。私が「とても良い」と思った出来のものも、他人から見ればそうでもないこともありますし、その逆もあります。

 完璧も、人それぞれ違う価値観で成り立ってますし、誰かの得意は誰かの苦手です。

 「当たり前」と思うものだって、突き詰めれば才能で、最強だと思ってます。

 ――この漫画を通じて伝えたかった思いは

 理想を高く持てば持つほど、課題をクリアしたとしても満足いかず、更に上をと、ずっと苦しいままです。自分が自分に求めるハードルを、下げてあげるのも時には大事ですよ、と伝えたかったです。

漫画「完璧になりたい人へ」の一場面
漫画「完璧になりたい人へ」の一場面 出典: 夏ノ瀬いのさんのツイッター

いろんな意見があって当然


 ――新入学の人や新社会人に向けてアドバイスがあれば

 アレもコレも!と張り切るのはいいことなので否定はしないのですが、もし上手くいかないことが出てきてもそれは次に回して、出来たこと・出来ることから褒めてのばしてあげましょ!? そっちの方がずっと生きやすいですよ!

 ――多くの反響が寄せられていることについては

 「救われた」「心が軽くなった」という言葉が多く、そう思ってもらえるような表現ができて良かったな~と。

 それと同時に「そんな簡単じゃない」「完璧主義者は解けない呪いです」などという声もあり、「わかる」と激しく同意してしまいました。

 私を含め、そういった方々も少しずつ肩の力を抜けたらいいな、と思いました。

 こういう話が好き!と言ってくださる方もいますが、もちろんそうじゃない方もいます。だからといって自分の感性を疑ったりしないで欲しいです。いろんな意見があって当然です。

 いいなと思ってくださった方には、私が出版させて頂いた本『「もう頑張れない」って言ったって、君の価値は下がったりしない』を手に取ってみてほしいです。きっと楽しんで頂ける内容だと思います。

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