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卒業する妹「私、透明人間じゃなかったんだ」 キングジムのつぶやき
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今月8日、キングジム公式ツイッターアカウントの担当者の1人が「卒業」を発表しました。“妹”の愛称で親しまれた女性で、退職して新たな道に進みます。当日に手書きでしたためた1200字を超える手紙や、妹としての5年半について、詳しく話を聞きました。
【お知らせ】私、@kingjim(妹)は、本日を持ちましてキングジム公式Twitter中の人を卒業いたします。
— キングジム (@kingjim) 2019年3月8日
ツイッターの企業アカウントの中でも、抜群の知名度を誇るキングジム。2010年に開設され、現在のフォロワー数は32万を超えています。
このアカウントを主に担当しているのが“姉”と“妹”の2人(本当の姉妹ではありません)。今月末をもって退職するのは妹です。
8日9時半すぎ、妹がこんなつぶやきを投稿しました。
ツイッターでの思い出④
— キングジム (@kingjim) 2019年3月8日
ツイートが擬人化?されて「シャープさんとタニタくん」というコミックになりました。何言っているか分からないかもしれないけど、私もなんて説明したらいいのか未だにわかりません😂https://t.co/ARwCietEsw pic.twitter.com/HTficnTi6t
これまで交流のあった企業アカウントから驚きの声が上がるなか、それぞれに返信しながら、思い出を振り返る投稿を続けました。
その日の18時半すぎ、「フォロワーの皆さまへ」と題して、便箋に手書きした3枚の文章を画像として投稿。
そこには、ツイッターを担当することになった経緯や、もともと理系専攻で人と関わるのが得意ではなかったこと、メイン担当になる前日は不安でなかなか眠れなかったこと、などがつづられています。
文末は、キングジムへの変わらぬ応援のお願いと、これまでの感謝の言葉で結ばれています。
フォロワーの皆さまへ。 pic.twitter.com/i0TIkm7L16
— キングジム (@kingjim) 2019年3月8日
リツイートが1万1千、いいねが4万4千を超えているこの投稿。
「漫画の最終回みたいに明るく終わるネタを仕込んでいたのですが、みなさんからの熱いコメントを読んで、急きょ手書きしたんです」と彼女は言います。
卒業を発表したこの日は、朝から夕方までずっと自席に座ってツイートに専念。事前にペットボトルの飲み物3本、軽食、ティッシュを用意してひとつひとつのコメントに目を通しました。
2013年10月に「妹」としてキングジムアカウントに登場。2016年から2017年にかけてメインで担当しましたが、昨年は別の業務もあったため、数えるほどしかツイートしていません。
「忘れられてしかるべき存在だったのに、卒業を発表したら多くの方々が妹を認識してくれていて、メッセージをいただきました。『私、透明人間じゃなかったんだ』って思えました」
姉が育ててきたキングジムというアカウントを扱うにあたって、フォロワーの期待を裏切らない「影武者」としての役割に徹してきた5年半。褒められても「これは私への評価じゃない。アカウントへの評価だ」と意識し続けてきました。
そんな彼女にとっての思い出が、他の企業アカウントとの交流です。
ツイッター空間だけでなく、シャープ、タニタ、セガ、キングジムの担当者たちと「タニタ式どうでしょう」と題して、弾丸旅行を決行したこともありました。
「ビジネスで正面からお話を持って行っても実現しないことが、ツイッターの交流を通じて実現したこともありました。いろんな方に会えて、まるで社会科見学みたいでした」
今月末で退職した後は、別の企業で再び広報を担当するそうです。
現在の気持ちを尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「いただいたコメントは、その日の夜中だけでなく土日も何度も読んでジワッときました。これまで生きてきて、こんなに応援され、『ありがとう』と言ってもらったことはありません。これから何かあったら何度でも読み返します。『中の人』でよかった。みなさま、ありがとうございました」
妹の卒業を受けて12日、キングジムのアカウントで姉がこんなつぶやきを投稿しました。妹への贈る言葉です。
私には尊敬する上司がいます。挫折したときに「人生はマラソンだ、結果を急ぐな」と励まされ、ずっと私を支えています。上司は他界しましたが、(妹)に今度は私からこの言葉を贈ります。これまでありがとう。新天地でも自分らしく。また、別れを快く見まもってくれた皆さんもありがとうございました。
— キングジム (@kingjim) 2019年3月12日
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